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『火星からの来訪者』の書評が図書新聞7月8日号に掲載

更新日:2023/06/30

『火星からの来訪者』(スタニスワフ・レム)の書評が「図書新聞」7月8日号に掲載されました。
評者は岡和田晃さん(文芸評論家)です。

「まさにこの点において特筆すべきが、諜報員たちの視点からアメリカの原爆投下を扱う「ヒロシマの男」(1947)だ。世界でもっとも早い時期に書かれた「原爆文学」の一つであるのは間違いなく、作家論的な文脈を措いても広く読まれるべき問題作である」

〈スタニスワフ・レム・コレクション7『火星からの来訪者 知られざるレム初期作品集(スタニスワフ・レム/沼野充義、芝田文乃、木原槙子 訳)
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『金星応答なし』に5年ほど先立つ、レムの本当のデビュー作とも言うべき本格的SF中篇『火星からの来訪者』、若き医師ステファン・チシニェツキは、町を歩いているときにユダヤ人と取り違えられて捕まり、他の無数のユダヤ人とともに貨車に押し込められ収容所に送られてしまう。ユダヤ人移送の決定的瞬間を描いた「ラインハルト作戦」、広島への原爆投下を主題にした、世界でもっとも早い文学作品の一つであり、SF的想像力を駆使して爆発の光景が創り出された「ヒロシマの男」など、レムがまだ20歳代だった1940年代から1950年にかけて書かれた、いずれも本邦初訳となる初期作品を収録。
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