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三島由紀夫の最後の装幀画家「村上芳正展」開催〈〜9/29(日)〉

更新日:2013/07/08

三島由紀夫の最後の装幀画家「村上芳正展」
 -「家畜人ヤプー」原画を中心に......幻想耽美の世界-


三島由紀夫「豊饒の海」、沼正三「家畜人ヤプー」、澁澤龍彦/編
「暗黒のメルヘン」、連城三紀彦「戻り川心中」、多田智満子「四面道」、
ジャン・ジュネ全集......
これらは、画家・村上芳正(1922~)が装幀・装画を手掛けた書物です。
他にも赤江瀑、倉橋由美子、河野多恵子、曾野綾子、瀬戸内晴美(寂聴)、
原田康子、日影丈吉、吉行淳之介、渡辺淳一など、1960~1980年代の様々な
個性派作家の著作を、繊細な色彩と眩惑的な線描画で彩りました。
その虚無感漂う夢幻の世界は、文学世界をあらわしながらも、独自の
芸術世界を作り出しています。
 装幀装画は、大量に印刷される絵であり、印刷されてこそ完成形と
いえるものです。しかし残念ながら、丁寧に描きこまれた筆致や繊細な彩色が、
画家の表現したい意図そのままに印刷物に再現されることはありません。
それがわかっていても、村上は自分の技法にこだわりを持って精緻かつ流麗な
線描画を描き続け、結果、多くの著者と幾万の読者に愛され続けました。
 そして挿絵画家の宿命で、装幀した書籍が市場から姿を消すとともに、
その存在も時代の波に埋もれていきました。
本展では、村上が手放すことなく保管してきた装幀挿絵原画を中心に
展観いたします。本来読者が目にすることはない装幀装画の原画から、
村上芳正の幻想耽美の世界をご堪能いただきます。
 あわせて、初版本、掲載雑誌、映画ポスター、レコードジャケット、
デッサン、写真などの作品資料も展示し、その画業の軌跡をご紹介いたします。


◆会期: 2013年7月5日(金)~9月29日(日)
◆開館時間:午前10時~午後5時
             (入館は午後4時30分までにお願いします)
◆休館日:月曜日(ただし、8/12(月)は臨時開館、7/15(月・海の日)開館、
            翌16(火)休館、9/16(月・敬老の日)開館、翌17(火)休館、
            9/23日(月・秋分の日)開館、翌24(火)休館)
◆場所:弥生美術館
         〒113-0032 東京都文京区弥生2-4-3
          TEL:03(3812)0012
          地下鉄千代田線「根津駅」1番出口or
          地下鉄南北線「東大前駅」1番出口 より共に徒歩7分
◆料金:一般900円/大・高生800円/中・小生400円
     (竹久夢二美術館もご覧いただけます)

◎9月7日(土)午後6時より、宇野亜喜良先生とのトークショーを行います。
 詳細は弥生美術館HPをごらんください。
 

◎弊社より展覧会にあわせて、初の画集『薔薇の鉄索 村上芳正画集』を刊行!
9784336057365.jpg

村上芳正 画/田中幸一 監修/
本多正一・堀江あき子・竹上晶 編
定価 5,040円(本体価格4,800円)
三島由紀夫、赤江瀑、倉橋由美子、多田智満子ら
個性的な作家たちの書籍を 繊細な色彩と眩惑的な
線描画で飾り、沼正三『家畜人ヤプー』の耽美的挿画で
衝撃を呼んだ孤高の画家。独自の芸術世界を再現する
待望の画集をついに刊行。
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