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チキュウノヘイワ

地球の平和

発売日 2021/12

判型 四六変型判   ISBN 978-4-336-07136-1

ページ数 360 頁   Cコード 0397

定価 2,640円 (本体価格2,400円)

内容紹介

自動機械の自立性向上に特化された近未来の軍事的進歩は、効果的かつ高価になり、その状況を解決する方法として人類は軍備をそっくり月へ移すことを考案、地球非軍事化と月軍事化の計画が承認される。こうして軍拡競争をAI任せにした人類であったが、立入禁止ゾーンとなった月面で兵器の進化がその後どうなっているのか皆目わからない。月の無人軍が地球を攻撃するのでは? 恐怖と混乱に駆られパニックに陥った人類の声を受けて月に送られた偵察機は、月面に潜ってしまったかのように、一台も帰還することがなかったばかりか、何の連絡も映像も送ってこなかった。かくて泰平ヨンに白羽の矢が立ち、月に向けて極秘の偵察に赴くが、例によってとんでもないトラブルに巻き込まれる羽目に……《事の発端から話した方がいいだろう。その発端がどうだったか私は知らない、というのは別の話。なぜなら私は主に右大脳半球で記憶しなくてはならなかったのに、右半球への通路が遮断されていて、考えることができないからだ》レムの最後から二番目の小説にして、〈泰平ヨン〉シリーズ最終話の待望の邦訳。

【〈スタニスワフ・レム・コレクション〉第Ⅱ期刊行開始特集ページ】
https://www.kokusho.co.jp/special/2021/08/post-17.html

著者紹介

スタニスワフ・レム (スタニスワフレム)

1921 年、旧ポーランド領ルヴフ(現在ウクライナ領リヴィウ)に生まれる。クラクフのヤギェロン大学で医学を学び、在学中から雑誌に詩や小説を発表し始める。地球外生命体とのコンタクトを描いた三大長篇『エデン』『ソラリス』『インヴィンシブル』のほか、『金星応答なし』『泰平ヨンの航星日記』『宇宙創世記ロボットの旅』など、多くのSF 作品を発表し、SF 作家として高い評価を得る。同時に、サイバネティックスをテーマとした『対話』や、人類の科学技術の未来を論じた『技術大全』、自然科学の理論を適用した経験論的文学論『偶然の哲学』といった理論的大著を発表し、70 年には現代SF の全2 冊の研究書『SF と未来学』を完成。70 年代以降は『完全な真空』『虚数』『挑発』といったメタフィクショナルな作品や文学評論のほか、『泰平ヨンの未来学会議』『泰平ヨンの現場検証』『大失敗』などを発表。小説から離れた最晩年も、独自の視点から科学・文明を分析する批評で健筆をふるい、中欧の小都市からめったに外に出ることなく人類と宇宙の未来を考察し続ける「クラクフの賢人」として知られた。2006 年に死去。

芝田文乃 (シバタアヤノ)

1964年、神奈川生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業。ポーランド語翻訳者、写真家、エディトリアル・デザイナー。1992年より東京、クラクフなどで写真展開催。訳書にレム『高い城・文学エッセイ』『短篇ベスト10』、コワコフスキ『ライロニア国物語』(いずれも共訳、国書刊行会)、ムロージェク『所長』『鰐の涙』(未知谷)、グラビンスキ『動きの悪魔』『狂気の巡礼』『火の書』『不気味な物語』(いずれも国書刊行会)などがある。

沼野充義 (ヌマノミツヨシ)

1954 年、東京都生まれ。東京大学卒、ハーバード大学スラヴ語学文学科博士課程に学ぶ。ワルシャワ大学講師、東京大学教授を経て、現在名古屋外国語大学副学長、東京大学名誉教授。著書に『徹夜の塊』三部作(『亡命文学論』『ユートピア文学論』『世界文学論』、作品社)、『W文学の世紀へ』(五柳書院)、『チェーホフ 七分の絶望と三分の希望』(講談社)、編著書に『東欧怪談集』『ロシア怪談集』(河出文庫)、『世界は文学でできている 対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義』全5巻(光文社)、訳書にスタニスワフ・レム『ソラリス』(国書刊行会およびハヤカワ文庫SF)、ヴィスワヴァ・シンボルスカ『終わりと始まり』(未知谷)、クラシツキ『ミコワイ・ドシフャトチンスキの冒険』(岩波書店)、ウラジーミル・ナボコフ『賜物』(新潮社)、『新訳 チェーホフ短篇集』(集英社)などがある。

目次

Ⅰ 倍増
Ⅱ 秘密の開示
Ⅲ 隠れ家で
Ⅳ ルナ・エージェンシー
Ⅴ ルナ高技能ミッショナリー
Ⅵ 二回目の偵察
Ⅶ 殺戮
Ⅷ 不可視
Ⅸ 訪問
Ⅹ コンタクト
Ⅺ ダ・カーポ

最後から二番目の傑作長篇――訳者あとがき(芝田文乃)
解説 『地球の平和』と一九八〇年代のレム(沼野充義)

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