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ヴィジョン・イン・モーション

ヴィジョン・イン・モーション

発売日 2019/12/26

判型 A4変型判   ISBN 978-4-336-06370-0

ページ数 388 頁   Cコード 0070

定価 9,460円 (本体価格8,600円)

内容紹介

「ヴィジョン・イン・モーションとは同時に把握することである。同時把握は創造的な行為――見ること、感じること、考えることを相互関係のなかで行うのであって、別々の現象の連続として行うのではない。それは即座に個々の要素を統合し、統一のとれた全体へと変える」――ラースロー・モホイ=ナジ

ヴァイマールとデッサウのバウハウスにおける基礎課程の教育方法を扱った著作『ザ・ニュー・ヴィジョン』刊行ののちアメリカに渡ったモホイ=ナジが、シカゴのデザイン研究所における教育活動を経て、より一般的な芸術と生活の関係について考察を深化させたデザイン哲学の記念碑的名著。いまなおその有効性を増す総合的教育論、初の邦訳単行書。日本語版オリジナルの訳者解説や「ラースロー・モホイ=ナジ」略年譜等を付す。

著者紹介

ラースロー・モホイ=ナジ (ラースロー・モホイ=ナジ)

ハンガリー出身の写真家、画家、タイポグラファー、美術教育家。ハンガリーからドイツに亡命した後、美術家として活動。ヴァルター・グロピウスと出会い、1919年バウハウスに招聘され、1923年に同校の教授となる。その後、写真を中心に建築、工芸、絵画、彫刻、舞台装置など広い分野にわたって制作活動を行なうとともに、写真やタイポグラフィを積極的に基礎教育に取り入れるなど革新的なアイデアを用い、バウハウスの教育方針に決定的影響を与えた。 ナチスの台頭にともない、1937年に米国へ亡命、シカゴでバウハウスのデザイン教育理念をアメリカで展開すべく活動した。
主要著書に、『絵画・写真・映画』〈バウハウス叢書8〉(邦訳は、利光功訳、中央公論美術出版、1993年)、『材料から建築へ』〈バウハウス叢書14〉(邦訳は、宮島久雄訳、中央公論美術出版、1992年)などがある。

井口壽乃 (イグチトシノ)

1959年静岡県生まれ。埼玉大学人文社会科学研究科教授。ハンガリー科学アカデミー美術史研究所留学(1993−95年)。1996年筑波大学大学院博士課程修了,博士(芸術学)。
「モホイ=ナジ/イン・モーション」展(神奈川県立近代美術館,京都国立近代美術館,DIC川村記念美術館 2011−12年巡回)の企画・構成を手がける。
主要著書に『ハンガリー・アヴァンギャルド:MAとモホイ=ナジ』(彩流社,2000年),『アヴァンギャルド宣言:中東欧のモダニズム』(共編著,三元社,2005年),『ポーランドの建築・デザイン史』(共訳,彩流社,2006年),『中欧のモダンアート』(共著,彩流社,2013年),『中欧の現代美術』(共著,彩流社,2014年),『西洋美術の歴史8 20世紀』(共著,中央公論新社,2017年),『生きている前衛:山口勝弘評論集』(編,水声社、2017年),『視覚文化とデザイン』(編著,水声社,2019年)などがある。

目次

日本語版への序文 ハトゥラ・モホイ ナジ

はしがき

序論

Ⅰ. 状況の分析

矛盾──不可譲の権利──専門家──倫理的義務の減少──分割できない教育──公式な教育と非公式な教育──科学をとりまく混乱──プロパガンダ・マシーン──キャリア志向者──教養教育──一過性の安定化──受け売りの事実──改良の試み──現世代の課題──能力──恐れ──アマチュア──芸術の機能──「職業的」芸術家──芸術と科学

Ⅱ. アプローチの新たな方法──生活のためのデザイン

原理──関係の質──デザインすることは職業ではなく態度である──デザインの可能性──従来の思考方法──形態と形──組み立ての時代──流線型──新しい労働条件──その他の社会的な関係──生産の経済──直感の役割──アヴァンギャルド──知識の普及──精神的な適応

Ⅲ. 新しい教育──有機的アプローチ

a )概略
背景─バウハウス──基礎課程(ベーシック・コース)──方針──教育技術──実践的な相互関係──科学的好奇心──共通項──適正検査─職業指導──ハンド・スカルプチャー──ウェイト・スカルプチャー──触覚的構造──測定実習──機械実習──薄板,平板,接合──ガラス,鏡,空間の演習──運動の研究──「客観的」質の強調──専門の工房──建築学科──機械製図──空間調節器──原始住宅──現代住宅──より大きな構造概念──空間概念──社会計画

b )統合―諸芸術

絵画
論点──キュビスム──歪曲──運動表現の試み──キュビスムのシステム──視覚の基礎──判読の解決──「抽象」芸術の擁護──ヴィジョン・イン・モーション──空間解釈における諸段階──色彩について──絵具から色光へ──「オプトフォネティック」

写真
カラー写真──黒と白──写真の質──写真教育──カメラを使わない写真(フォトグラム)──ライト・モデュレーター──その他の実験──写真の視覚── 8 種類の写真の視覚──映像の連続:シリーズ──フォトジェニック対フォトクリエイティヴ──新しい方向──二重焼付──フォトモンタージュ

彫刻
一般的な状況──さまざまな再現の局面──素材処理における基本的姿勢──ヴォリュームの創造──ヴォリューム・モデュレーション(表現)の5 段階──平行的な現象──ヴォリューム・モデュレーター:第1 段階( ブロック),第2 段階( 彫塑),第3 段階( 穿孔)── 時間における連続──拡大──第4 段階(均衡のとれた浮遊状態)──第5 段階(モビール)──キネティック彫刻の歴史──ヴォリュームの二元性──彫刻の発展と感情的な経験

「空間―時間」の諸問題
静的な平面上の運動(「空間―時間」)表現──速度──速度の分析──透明性と光──写真の演習──シンボル──動く建築──博覧会建築,ディスプレイ,劇場,ダンス──「空間―時間」?

映画
状況──問題──視覚的なもの──光──抽象映画──ドキュメンタリー映画──先駆者たち──サウンド・フィルム──フィルム編集(モンタージュ)──サウンド・フィルムの真の技術──カラー映画とロング・ショット・モンタージュ──視覚の軸──色彩の経済──映写──映画製作の課題──光の研究所──映画の脚本

文学
第一段階──言葉によるコミュニケーション──ホイットマンとロートレアモン──アポリネール,モルゲンシュテルン,スタイン──未来派──新しいタイポグラフィ──ランボー──ダダイズム──ジャン・アルプ──トリスタン・ツァラ──フーゴ・バル,リヒャルト・ ヒュルゼンベック──クルト・シュヴィッタース──精神病患者──子供の歌詞──音と数字のマジック──新しい詩──シュルレアリスム──芸術と社会──ジークムント・フロイト──ジェイムズ・ジョイス──フィネガンズ・ウェイク──自由と非予測性

グループ詩
「言葉の調節器」としてのグループ詩──個人の作品

Ⅳ. 提案

若者だけ?──社会的デザインの議会

『ヴィジョン・イン・モーション』──モホイ ナジの教育活動と理論、日本への影響について(井口壽乃)

ラースロー・モホイ ナジ 略年譜

索引(人名/事項)

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