キョウランスルオペラ、ソシテバレエ
狂乱するオペラ、そしてバレエ
ルチアとジゼルの系譜
発売日 2026/01
判型 四六判 ISBN 978-4-336-07829-2
ページ数 220 頁 Cコード 0073
定価 1,760円 (本体価格1,600円)
ジゼルはルチアの「妹」なのか?――
狂乱という視点からオペラとバレエの歴史を捉えなおすとともに、西ヨーロッパではいったんステージから消え去った《ジゼル》が、ロシアで上演され続けた理由について、ひとつの仮説を提示する。
荻原真 (オギハラマコト)
1958年東京都生まれ。東京大学教養学部卒業。中央大学文学部卒業。思想史。
著書に『日本人はなぜ脳死・臓器移植を拒むのか』(新曜社、1992年)、『小林秀雄とは誰か―断ち切られた時間と他者』(洋々社、1999年)、『西洋哲学の背骨―知っておきたいプラトン、デカルト、カント、サルトル』(新曜社、2006年)、『なぜポニョはハムが好きなのか―宮崎アニメの思考』(洋々社、2009年)、『なぜ宮崎駿はオタクを批判するのか』(国書刊行会、2011年)、『宮崎駿の「半径300㍍」と『風立ちぬ』』(国書刊行会、2016年)、共著書に『20世紀を震撼させた100冊』(出窓社、1998年)、共訳書にメルキオール『現代フランス思想とは何か―レヴィ=ストロース、バルト、デリダへの批判的アプローチ』(河出書房新社、2002年)などがある。
はじめに
◆第一部 主としてオペラについて
第一章 舞台の上で狂乱してよいのか
第二章 バロック期の狂乱オペラ
(一)滑稽、スペクタクル……
(二)理性/非理性としての愛欲
(三)嘆きの歌(ラメント)
第三章 過渡期の狂乱オペラ
(一)十七世紀的発想から十八世紀的発想へ
(二)センチメンタル・オペラ
第四章 最盛期の狂乱オペラ
(一)センチメンタル・オペラから受け継いだもの
(二)典型的な狂乱オペラ
第五章 変貌する狂乱オペラ
(一)変化の兆し
(二)ヴェルディの場合
(三)フランス・オペラの場合
第六章 ロマンティックな狂乱オペラの終焉
(一)最後のロマン的狂乱か?
(二)衰退の背景
(三)リムスキー=コルサコフの場合
◆第二部 主としてバレエについて
第一章 バロック的狂乱
(一)《ラ・フィユ・マル・ガルデ》をめぐって
第二章 ロマンティックな狂乱
(一)《ニーナ》、《夢遊病の女》、そして……
(二)《ジゼル》
(三)《ラ・シルフィード》と《コッペリア》
(四)《ラ・シルフィード》、《ジゼル》と《コッペリア》の比較
第三章 ロマンティシズムの衰退
(一)ゾラの『居酒屋』
(二)反ロマン主義的な文化的・思想的状況
第四章 ロシアにおける《ジゼル》と《ジゼル》的なもの
(一)《ジゼル》のその後
(二)《ジゼル》的なもの
第五章 展望
あとがき









