オトコタチノシラナイオンナ2
男たちの知らない女 Ⅱ
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの二つの生涯
発売日 2025/12
判型 四六変型判 ISBN 978-4-336-07783-7
ページ数 434 頁 Cコード 0098
定価 3,960円 (本体価格3,600円)
べつの誰かになったときにのみ、彼女は自身の真実を語ることができた。
エイリアンについて書くときにのみ、彼女は自分の身体や経験を語ることができた――
伝説のSF作家の謎と真実に迫る決定版伝記!
〈作家としてジェイムズ・ティプトリー・ジュニアを名乗った、すばらしくも捉えがたい女性――その魅惑的な生涯を見事に描いた伝記である。著者は過度な単純化はせず、過剰な解釈もせず、おそろしく複雑な精神を侵すことなく照らし出している〉 アーシュラ・K・ル=グウィン
〈魅力的な題材、惹きこまれる文章。実在のアリス・シェルドン、虚構のジェイムズ・ティプトリー・ジュニア、その二つの人生と作品が織りなす複雑な関係を、著者は鋭利で洞察に満ちた筆致で描き出している。共感、敬意、綿密な調査、誠実さをバランスよく融合した伝記。なにより読みはじめたら止まらなくなる〉 カレン・ジョイ・ファウラー
〈アリス・シェルドンが自身の波乱の人生のなかで抱えきれなかった性的、芸術的、知的矛盾を、著者はその複雑さもすべて含めて、深い知性と寛容さに満ちたこの伝記において、余すところなく捉えている〉 ジェニファー・リース
〈この伝記は、ひとつの特異な人生を描くのにとどまらず、20世紀に女性であることに伴うあらゆる亀裂をも記録している。小説を凌駕する伝記が存在するとしたら、これはその稀有な一冊だ〉 ドロシー・アリスン
〈感情を込めて知的かつ精緻に書かれた、非凡な作家の伝記〉 ウィリアム・ギブスン
装幀:佐野裕哉
ジュリー・フィリップス (ジュリーフィリップス)
アメリカ、シアトル生まれ。伝記作家・評論家。文学・映画・フェミニズムについて《ニューヨーカー》《ヴィレッジ・ヴォイス》《ミズ》をはじめとする多くの雑誌に寄稿。本書で2006年全米批評家協会賞のほか、ヒューゴー賞、ローカス賞など多数受賞。著書にThe Baby on the Fire Escape: Creativity, Motherhood and the Mind-Baby Problem (2022)がある。現在アーシュラ・K・ル=グウィンの伝記を執筆中。
北川依子 (キタガワヨリコ)
京都府生まれ。京都大学卒、博士(文学)。東京科学大学リベラルアーツ研究教育院教授。専門はイギリス小説。訳書にハミルトン『孤独の部屋』(新人物往来社)、ジャクスン『鳥の巣』(国書刊行会)、メトカーフ『死者の饗宴』(国書刊行会、共訳)、ミッチェル『ボーン・クロックス』(早川書房)などがある。
第二十四章 作家の誕生(一九六七年)
第二十五章 ジキル博士とミスター・スポック(一九六八年)
第二十六章 ファースト・コンタクト
第二十七章 ユカタン半島(一九七〇年)
第二十八章 きこりのシャツで偽装したデカダンな知識人(一九七一年)
第二十九章 友情(一九七一-七三年)
第三十章 男たちの知らない女(一九七二年)
第三十一章 いまにも割れそうなグラス(一九七三年)
第三十二章 「ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?」(一九七三-七四年)
第三十三章 ブリキのロケット(一九七四年)
第三十四章 繊細な男(一九七四-七五年)
第三十五章 抑鬱(一九七五-七六年)
第三十六章 メアリーの死(一九七六年)
第三十七章 ティプトリー正体を現す(一九七六年)
第三十八章 わたしはまるで異星人の人工物のなかで生きるかのように、わたしの肉体のなかで生きている(一九七七年)
第三十九章 執筆再開(一九七九-八一年)
第四十章 愛はさだめ、さだめは死(一九八二-八七年)
謝辞
原註
訳者あとがき
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア作品リスト
参考文献
索引(人名・作品名)











