タイセツナコトハチイサナコエデカタラレル
大切なことは小さな声で語られる
大江田信の音楽コラム 1973-2025
発売日 2025/12
判型 A5判 ISBN 978-4-336-07830-8
ページ数 336 頁 Cコード 0074
定価 4,180円 (本体価格3,800円)
「この本を、とくに若い世代の方々に薦めたい。あなたが長い人生を通してずっと音楽と親しく付き合いたい、と考えるなら、この本は買っておいたほうがいい。大切なことは小さな声で語られる。そう、ちょっと高いけれど、この本はお買い得ですよ」──小西康陽
大江田信は高校時代に友人の佐久間順平と「林亭」を結成する。自主制作レコード『夜だから』はミュージシャン高田渡に偶然手渡される。それは「音楽」を生業とする人生のはじまりだった――本書は初の著書であり、レコード会社勤務、ラジオ番組選曲家、音楽ライター、「ハイファイ・レコードストア」の経営者と、音楽を仕事にし続けた彼の50年にわたるコラムやエッセイをまとめた「ヴァラエティブック」である。
企画=小西康陽 編集=小梶嗣 ブックデザイン=菅野カズシゲ 装画=矢吹申彦 写真=高田渡、廣瀬壯太郎
●はじめてご挨拶したのは、渋谷クラブクアトロにおけるMFQ 来日公演の幕間だった。当時、戸川京子さんのアルバムにかかわっていて、大江田さんはそのレコード会社の宣伝担当、それで声をかけてくださったのか。とはいえ、こちらもお名前をうかがったとき、あ、林亭の人、となぜか認識していた。
●親しくお話しさせていただくようになったのは、もちろん渋谷の「ハイファイ・レコードストア」に通い詰めるようになってから。正規の音楽教育など受けていないぼくが見様見真似で作曲や編曲の仕事をするとしたら、頼りにするのは古いレコードしかない。いまではほとんどの人に忘れられている20世紀の素晴らしい音楽。ある時期、渋谷には数多のレコードショップがあったけれど「ハイファイ」だけは品揃えが違った。何時間も試聴して、なにかピンときたLP を選び、会計した後で大江田さんや松永良平さんと無駄話をするのは楽しかった。そんな会話やレコードに添えられたコメント、あるいは「ハイファイ」のブログなどの文章からは多くのヒントをもらった。
●仲間とともに自主制作盤のレコードを作り、心酔する高田渡に認められ演奏に加わり、社会人となってからはレコード会社で制作や宣伝に携わり、そして中古レコード店の店長として買い付けの旅に出掛け、さらにはラジオ番組の選曲やライナーノートの執筆、そしてふたたび音楽家として演奏に勤しむ。アタマから尻尾まで、生涯をかけてこんなに音楽を楽しんでいる人をほかに知らない。
●この本を、とくに若い世代の方々に薦めたい。音楽で食べていくには、とは言わないが、あなたが長い人生を通してずっと音楽と親しく付き合いたい、と考えるなら、この本は買っておいたほうがいい。音楽と関係のない話も入っているが、その辺りもいつか理解できます。大切なことは小さな声で語られる。そう、ちょっと高いけれど、この本はお買い得ですよ。(小西康陽)
大江田信 (オオエダマコト)
小西康陽 (コニシヤスハル)
音楽で食べていくこと
ボクの高田渡
高田渡 時代は変われどマイペース
タカダワタル的
谷川俊太郎さんのこと
ラジオが友達だった
ジャケットが決め手になった
隣町のジャズ喫茶に通っていた
吉祥寺ぐゎらん堂
芹明香さん
ボクが読んできた本
音楽家 佐久間順平に会った
AMラジオでの選曲
大瀧詠一さんのこと
薬研坂界隈雑記帖
制作を担当した近田春夫『星くず兄弟の伝説』(1980)のことを高木玉緒さんと話す
954
選曲
バックグラウンド・ミュージック
過去7年分の選曲
若山弦蔵さんの第9番
ポップス・オーケストラの音楽にのめり込んだ
ラジオ深夜便の時間
ラジオから中条きよしが流れてきた
大江田信です
東京横浜鎌倉たべあるき地図
ボクのたべあるき地図
東京・青山 ふーみん
東京・麻布プリンスホテル・ホテル ウィスタリア
東京・荻窪 琲珈里
1冊の中に収られた“味”の世界
𠮷野家のビーフ・ボウル
僕のマッシュルームちゃん
今日の続きは又あした
「饗宴」批評(1980-1981)
翠園酒家
北海園
四川飯店
東京飯店
ライナーノーツを書く
ノラオンナ『スサー』
「うたとギター。ピアノ。ことば。」を聞きながら、「アメリカの夜」を思い出した。
レコード商売往来
亜米利加レコード買い付け旅日記
元同僚・松永良平が聞く、レコードストアの大江田信
アニタ・カー
アニタ・カー日記
ボクの無人島レコード
Voices in Hi-Fi 2006-2011
音楽のちょっとの話
近所の理髪店
なんでもない話(1973)
あとがき
初出一覧
表紙 ボクが制作担当したレコード









