ジュウイチガツノホン
11月の本
発売日 2025/09/19
判型 B6変型判 ISBN 978-4-336-07744-8
ページ数 280 頁 Cコード 0090
予価 3,080円 (本体価格2,800円)
時代も場所もまったく異なる文学作品たちをつなぐテーマは〈12か月〉――
12か月のうちの〈11月〉をテーマに古今東西の小説・詩歌・随筆を集めたアンソロジー。
四季をあじわい、あの作品といま同じ季節を生きるよろこびをつくる本。シリーズ全12巻。
装丁:岡本洋平(岡本デザイン室)
西崎憲 (ニシザキケン)
翻訳家、作家、アンソロジスト。訳書にコッパード『郵便局と蛇』、『ヘミングウェイ短篇集』、『青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集』など。著書に第十四回ファンタジーノベル大賞受賞作『世界の果ての庭』、『蕃東国年代記』『未知の鳥類がやってくるまで』『全ロック史』『本の幽霊』など。フラワーしげる名義で歌集『ビットとデシベル』『世界学校』。電子書籍や音楽のレーベル〈惑星と口笛〉主宰。音楽家でもある。
鈴木三重吉 (スズキミエキチ)
小説家、児童文学者。一八八二年生。夏目漱石門下。児童文学雑誌「赤い鳥」を創刊し児童文化運動の父とされる。小説に「千鳥」「桑の実」など。一九三六年没。
田山花袋 (タヤマカタイ)
小説家。一八七一年生。小説家を志して尾崎紅葉に入門し、紅葉の弟子の江見水蔭に師事する。小説に「少女病」「蒲団」「田舎教師」など。一九三〇年没。
小沼丹 (オヌマタン)
小説家、随筆家、英文学者。一九一八年生。早稲田大学在学中に井伏鱒二に師事し、高校教員を経て早稲田大学英文科教授となる。小説に「村のエトランジェ」「白孔雀のいるホテル」、随筆集に「小さな手袋」「珈琲挽き」、翻訳にスティーヴンソン「旅は驢馬をつれて」など。一九九六年没。
林芙美子 (ハヤシフミコ)
小説家。一九〇三年生。小説に「放浪記」「浮雲」、詩集に「蒼馬を見たり」など。一九五一年没。
岩本素白 (イワモトソハク)
国文学者、随筆家。一八八三年生。東京の街並みを愛し、散歩を好んだ。随筆集に「山居俗情」「素白集」など。一九六一年没。
幸田文 (コウダアヤ)
随筆家、小説家。一九〇四年生。幸田露伴の次女。随筆に「終焉」、小説に「流れる」など。一九九〇年没。
立原道造 (タチハラミチゾウ)
詩人。一九一四年生。東京帝国大学建築学科卒。堀辰雄、室生犀星に師事する。本書収録の「十一月三十日」(「長崎ノート」より)は肺結核で亡くなる直前に長崎へ旅した際の記録の一部である。詩集に「萱草に寄す」「暁と夕の詩」「優しき歌」など。一九三九年没。享年二六(満二四歳)。
ノーラ・ロフツ (ノーラ・ロフツ)
イギリスの小説家。一九〇四年生。小説に「私の隣人はどこ?」「飽くなき女たち」「満ち足りた気持ちで」など。一九八三年没。
小野寺健 (オノデラタケシ)
英文学者、翻訳家。一九三一年生。翻訳にウェルズ「白壁の緑の扉」フォースター「老年について」ブルックナー「ある人生の門出」など。二〇一八年没。
木靴(マルセル・シュオッブ/大濱甫訳)
十一月の願いごと(イタロ・カルヴィーノ/関口英子訳)
あかるい冬の窓(西崎憲)
深夜(鈴木三重吉)
坂(萩原朔太郎)
丘の上の家(田山花袋)
小春(国木田独歩)
枯葉の記(永井荷風)
秋風(小沼丹)
崩浪亭主人(林芙美子)
最後の一句(森鷗外)
こがらし(岩本素白)
十一月三日午後の事(志賀直哉)
沼のほとり(豊島与志雄)
水(幸田文)
風変わりな死(アルフォンス・アレー/西崎憲訳)
十一月三十日(「長崎ノート」より)(立原道造)
この四十年(ノーラ・ロフツ/小野寺健訳)
十一月のストーリー(レベッカ・マカーイ/藤井光訳)
跋 十一月の音楽(西崎憲)