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  4. 絶対主の覚知と誓約

ゼッタイシュノカクチトセイヤク

絶対主の覚知と誓約

イスラームのこころと日本  

水谷周

発売日 2021/07/07

判型 四六判   ISBN 978-4-336-07214-6

ページ数 264 頁   Cコード 0314

定価 3,080円 (本体価格2,800円)

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内容紹介

日本の宗教信仰復興に、イスラームはどうかかわるのであろうか。
本書は第一部において、どのような役割が期待できるのかについて考究する。その際、日本の状況の把握の一助として、いくつかの本を選んでイスラームの立ち位置との比較に、随時使用することにしたい。広く読まれている、五木寛『大河の一滴』や石原慎太郎、曽野綾子『死という最後の未来』、あるいは現代日本の宗教人として厳しく自らを持した澤木興道の『禅に生きる』などである。期待される役割としては、諸宗教に競争原理を働かせること、人生観や思考の枠組みを補強することなどがある。それらの前向きな側面の一方では、日本でイスラームを見ていると、後ろ向きな誤解を持ってしまうという負の側面はないのかも検証したい。
第二部では、「イスラームのこころ」を解説する。その中核は、本書の題目の通り、絶対主の覚知と誓約ということに尽きる。イスラームが日本でどのような貢献をするとしても、その真価を正確に把握することが前提である。ところが日本ではイスラームに関して相当の数の出版物はあるが、大半は時事的なものであり、イスラーム信仰の内実に光を直接当てた記述は僅少である。この空白を埋める必要があるのは、論を待たない。
以上が本書の成り立ちである。『宗教信仰復興叢書』の一角を占める形で世に送ることができるのは、大変光栄である。本書が、そして本叢書全体が、日本社会に新たなページを開き、その幸福指数が向上することを強く望むものである。
またそうなることを願いつつ、執筆に当たり常に心したことは、平易に表現するということであったことは特筆しておきたい。イスラームはアラビア語が原語であるが、そこにおいて既に決して難解な言葉使いではないということがある。クルアーンには商業用語もしきりに登場する。さらには、平易な表現によってこそ、より広く人々の心を救い、宗教としての真価を発揮できるとの筆者の信念もある。本書が果たしてそのような効果を発揮しているかどうかはおぼつかないが、読者方々のご賢察を待つこととしたい。

著者紹介

水谷周 (ミズタニマコト)

京都大学文学部卒、博士(ユタ大学)。(社)日本宗教信仰復興会議代表理事、現代イスラーム研究センター副理事長、日本ムスリム協会理事、日本アラビア語教育学会理事、国際宗教研究所顧問など。日本における宗教的覚醒とイスラームの深みと広さの啓発に努める。
『イスラーム信仰概論』(明石書店 2016年)、『イスラームの善と悪』(平凡社新書 2012年)、『イスラーム信仰とその基礎概念』(晃洋書房 2015年)、『イスラームの精神生活』(日本サウディアラビア協会 2013年)、『イスラーム信仰とアッラー』(知泉書館 2010年)、(以下は国書刊行会刊行)『イスラーム信仰叢書』全10巻、総編集・著作、2010~12年、『クルアーン やさしい和訳』監訳著、2019年、『黄金期イスラームの徒然草』2019年、『現代イスラームの徒然草』2020年、『祈りは人の半分』2021年、『イスラーム用語の新研究』2021年、『信仰の滴』2022年など多数。

目次

目次

宗教信仰復興叢書の創刊に当たって
はじめに

第一部 イスラームが日本にもたらすもの

一、宗教の競争原理
(一)少数ながら高い注目度  (三)世界の動向と頻発するテロ事件
(二)「心の時代」の反映    (四)宗教の競争意識

二、新しい人生観
(一)死生観   (四)看取り
(二)生きがい  (五)共同体意識
(三)安寧

三、思考の枠組み
(一)国際的視野   (三)縁起より因果関係
(二)繰り返し論法  (四)情緒性より論理性

四、注意点
(一)聖職者のいないこと  (三)男尊女卑か
(二)戦闘的か       (四)伝統墨守か


第二部 イスラームのこころ

一、まず読みたいクルアーンの章と節
(一)開巻章           (四)人の弱さと赦しを請う精神
(二)玉座の節          (五)アッラーを意識して、敬虔であることの重要性
(三)人の生と死         (六)人の言動全般に規範を与える節
(七)人の祈り          (八)「クルアーンの心臓」と称される章

二、信仰の源泉
(一)人間と信仰         (三)自然な信仰とその功徳
(二)イスラームの伝統的な解釈

三、アッラーの道を求めて
(一)アッラーの中心性と違和感の払拭  (四)アッラーの単一性
(二)アッラーの覚知論         (五)アッラーの並置論
(三)アッラーの美称

四、信心の諸相
(一)信心の三段階       (三)近代社会の悩み
(二)黄金期イスラームの実態


五、信者の精神生活
(一)生きがい  (四)慈悲と愛情
(二)安寧と幸福 (五)希望と悲しさの克服
(三)安心と死

六、倫理道徳上の徳目
(一)誠実と嘘   (六)信頼と見せ掛け
(二)正義と不正  (七)悔悟・謙譲と慢心・傲慢
(三)禁欲と強欲  (八)慈愛・慈悲と妬み
(四)感謝と恨み  (九)嘉しと嫌悪
(五)忍耐と怒り

七、人生訓
(一)イスラームの和風化  (二)イスラームの人生訓


八、イスラームを内から見ること、外から見ること
(一)二重のレンズ     (三)日本語の語彙の不足
(二)内から見るイスラーム

おわりに
付論 ラフマは「慈愛」であること

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