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オウゴンキイスラームノツレヅレグサ

黄金期イスラームの徒然草

発売日 2019/11/25

判型 四六判   ISBN 978-4-336-06552-0

ページ数 264 頁   Cコード 0014

定価 2,750円 (本体価格2,500円)

内容紹介

汚れた世でいかに正しく生きるか――イスラームのリセット力の魅力!
 黄金期イスラームの輝きを伝える珠玉の随筆集。現代日本人にとっての意味合いを解説。
 中世イスラーム社会で、金曜日の集団礼拝に参列しても説教をあまりよく聞かない人や、早々に退出する人などもいたことが出てくる。他方、そうではあっても礼拝に一応は集まってくるのだから、やはり現代社会とは異なる。社会全体の思潮の核となり、様々な議論が闘わせられるサンドバックのような役割も果たしてきたのが、イスラームであった。原著『随想の渉猟』の著者イブン・アルジャウズィーによると、最大の危機は論理的な学者により信仰から情熱が奪われることであり、もう一つは神秘主義により単純であるはずのイスラームに余計な訓練法を導入して、信仰に過剰な禁欲さと複雑化をもたらすことであった。随所に、信仰とは絶対主への愛(意識し、畏怖し、帰順すること)に尽きるという結論が導かれている。本書は随筆集であるので教科書とは異なり、以上の論旨を肩の凝らない筆致で示し、諄々と説いている。二世紀後になるが、日本の『徒然草』と瓜二つといえよう。

著者紹介

イブン・アルジャウズィー

12世紀の著名な碩学

水谷周 (ミズタニマコト)

京都大学文学部卒。イスラーム思想史研究にて博士号取得(ユタ大学)。アラブイスラーム学院学術顧問、日本ムスリム協会理事、現代イスラーム研究センター理事、日本アラビア語教育学会理事、国際宗教研究所顧問などを務める。編著書に『イスラーム信仰叢書』(全10巻・国書刊行会、2010~12年)、『イスラーム信仰概論』(明石書店、2016年)、『イスラームの善と悪』(平凡社新書、2012年)、『イスラーム信仰とその基礎概念』(晃洋書房、2015年)、『イスラームの精神生活』(日本サウディアラビア協会、2013年)、『イスラーム信仰とアッラー』(知泉書館、2010年)、『クルアーン やさしい和訳』(監訳著・訳補完:杉本恭一郎、国書刊行会、2019年)などがある。

目次

はじめに
序章
第一章 信心
  一、説教を聞く人の心はさまざま
  二、禁じられたものは甘美
  三、敬虔さ
  四、忍耐と喜悦
  五、原因ではなく起因者
  六、帰依も授けられた糧であること
  七、妄欲と戦え
  八、恩寵に対して思慮深く
  九、至誠の報い
 一〇、試練が増すと信仰の増加する人こそ信者
 一一、怒りは悪魔の勝利
 一二、帰依に人の本心が出ること
 一三、恩寵を見せびらかすことへの注意
 一四、慈悲願望
 一五、真実への尽力
 一六、精神に篤信は最善
 一七、改心後でも罪を恐れること
 一八、罰の遅延で騙されるな
 一九、市場は駄目にする
 二〇、常時覚醒していること
 二一、妄欲の人も導かれ得ること
 二二、真実の生活
 二三、快楽を得つつでは信仰は成り立たない
第二章 アッラー・来世と現世
  一、現世と来世の喜び
  二、神を敬愛し、神に愛されること
  三、アッラーへの至誠
  四、アッラーに専心であること
  五、知識ある人のアッラーから遠いこと
  六、何からでもアッラーを知る目覚めた人
  七、アッラーを意識することで誰でも道が開けること
  八、神秘主義の逸脱
  九、死去への準備
 一〇、最も貴重なものはアッラーの覚知
 一一、アッラーの本質を知ろうとすること
 一二、あなたの現世を来世で売れ
 一三、一人でアッラーを想うこと
 一四、主の実在
 一五、 最善のアッラーへの嘆願はアッラーを通じること
 一六、現世は試練
 一七、理性はアッラーの賜物
 一八、禁欲主義への疑問と彼らの説明
第三章 人生
  一、時間の大切さ
  二、正義は偏らないこと
  三、結婚の知恵とマナー
  四、心の闘争
  五、無知な者も役立つこと
  六、心の強化策
  七、高い志
  八、時間の性格
  九、心中の誠実さ
 一〇、優しい心
 一一、中庸は一番
 一二、敵より前に友人に用心を
 一三、人生は戦い
 一四、少なきをもって足ることを知る
 一五、謙譲は堅い意志をもたらすこと
 一六、年取る前に若い時代を有益に使うこと
 一七、イブン・アルジャウズィーの独白
 一八、人に対してではなく真実に対して飾るように
 一九、孤独の功徳
 二〇、生きることで精一杯
 二一、妻への親切さは男気のうち
 二二、完璧さは主の企画
 二三、自らを精査する者の幸福
 二四、海にある真珠
 二五、結婚生活の基本は愛情であること
第四章 知識と学問
  一、完璧な理性
  二、知識に従う者が最良
  三、知識と行動
  四、知ったかぶりする者
  五、智者の孤独の功徳
  六、知識人の役目
  七、神学の大衆への危険
  八、学者に必要なこと
  九、知識と無知の間
 一〇、理性の完熟
 一一、学者は政治家から離れること
 一二、知識に求めるのは発音だけではないこと
 一三、初期の学者たちの大望
 一四、 演繹で考える際に理性を忘れることは無視と馬鹿々々しさ
 一五、大志は重荷
 一六、知恵の分からない場合は、知識がないこと
終章 助言
あとがき
  参考文献
  底本の全節タイトル名一覧
  人名・事項索引

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