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チュウゴクトウジシ

中国陶磁史

発売日 2019/09/27

判型 A4判   ISBN 978-4-336-06316-8

ページ数 704 頁   Cコード 0072

定価 41,800円 (本体価格38,000円)

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内容紹介

先史時代から現代まで、広大なる国土と悠久の歴史の中で培われてきた中国瓷磁の全貌を、詳細な解説と1400点余におよぶ圧倒的質量の図版により概観。20世紀後半以降の新発見・新知見も織り込んだ新訂の日本語版。

【監訳にあたって】
中国陶瓷の全貌を概観した大著に最新の知見を織り込んだ決定版
出川哲朗(大阪市立東洋陶磁美術館館長)

 中国の陶瓷器は、時に生活になくてはならぬ器物として文化史によりそい、時に歴代の皇帝の宝物として美術史の中で燦然と輝いている。また副葬品として、長き眠りにつき、再び姿を現したものもあれば、貿易陶瓷として海外にもたらされ、日本をはじめとして、各地で大切に扱われてきたものもある。新石器時代から現代にいたるまで、途切れることのない中国瓷磁の歴史は世界に類をみないものであり、その広大な国土と悠久の歴史の中で培われた陶瓷器の全貌を概論することは、尋常一様の努力では不可能であろう。
 2005年に出版された大著『中国陶瓷史』は中国陶瓷研究の権威として著名な葉喆民氏(1924~2018)が長年の研究蓄積をもとに著したものである。2011年には増補改訂版が出版され、日本語版はこの増補改訂版を底本としている。
 20世紀後半から21世紀にかけて中国陶瓷研究は飛躍的に進展し、次々と新発見・新知見が相次いでいた。今回、日本語に翻訳するにあたっては、著者から了解を得た上で、詳細な訳注などを加えてそれら新知見を織り込むとともに、挿図の一部を、出土地の明らかな作品や、評価の高い世界的名品とされる作品に差し替えを行うなどの改変を行った。掲載写真は実に1400点あまりにも及び、類書にはない充実したものとなっている。また、原著にある陶瓷器専門用語の中国語と英語の対照表に日本語の用語を加えたリストを巻末に付し、読者の便を図った。
 残念ながら、本書日本語版の完成を見る前に、著者葉喆民氏はご逝去されたが、学術的に価値の高い作品あるいは鑑賞的価値の高い氏の畢生の大著の日本語版をこうして刊行することができ、中国陶瓷研究家として感に耐えない。今後中国陶磁の研究者・愛好家に末永く読み継がれていくことを心より願うものである。

【本書の特徴】
1.本書は増補改訂版『中国陶瓷史』(葉喆民著、2011 年刊)を底本とし、同書刊行後の新たな研究成果を盛り込むためその一部に変更を加えた、新訂の日本語版である。
2.中国陶瓷の歴史的、技術的解説にとどまらず、生活、文化、経済にも広く言及しており、中国陶瓷が世界を席巻した時代の壮大な文化史として、幅広い読者層を想定した内容となっている。
3.中国陶瓷の最新の成果を表出するべく、原著の写真図版の一部を中国内外での美術館、博物館の作品に差し替えるなどして、さらなる図版の充実を図った。掲載写真は総計1400 点に及び、類書に見られない質量の画像を採録した。
4.日本の読者に分かりにくい箇所、最新の文献情報などについては、適宜訳注で解説や付加情報を施した。
5. 巻末には、中国陶瓷史に関する年表を付し、読者の便を図った。また「中国古陶瓷用語対応表」では、「古陶瓷用語」「古器種・器形」「器物の色調・色彩」「文様・意匠」「代表的な窯址」の項目ごとに主要な用語を抽出し、中国語―英語―日本語の対応表を付し、テクニカルタームの学術的整理を目指した。

※なお、日本で定着している用字に基づき、本書の書名は『中国陶磁史』としておりますが、中国の「瓷器」と日本の「磁器」はその意味を異にするため、本文では原著通りの「瓷器」「陶瓷史」などの表記を採っています。

著者紹介

葉喆民 (ヨウテツミン)

1924 年北京生まれ。字丹楓。北京大学文学院卒業、清華大学美術学院退職教授。幼い頃より父親である陶瓷学者の葉麟趾教授、その後故宮博物院の陳万里、孫瀛洲の両氏より陶瓷史を学ぶ。中国各地の代表的な窯址の現地調査を行うとともに、博物館が所蔵する陶瓷器の鑑定なども行う。1977〜85 年には初めて汝窯窯址を発見・認定。また北京大学ほかで中国陶瓷史、中国書法史などの講義も行い、多くの学生を育てた。著書に『中国古陶瓷科学浅説』『中国陶瓷史網要』『汝窯聚珍』『中国磁州窯』など多数。2018 年1月2日没。

出川哲朗 (デガワテツロウ)

1951 年生まれ。大阪大学基礎工学部物性物理学科卒業後、大阪大学文学部美学科卒業。同大学院修士課程修了。西宮市大谷記念美術館学芸員、大阪市立東洋陶磁美術館学芸員、同学芸課長を経て、2008 年より大阪市立東洋陶磁美術館館長。著書に『明末清初の民窯』(共著)、『アジア陶芸史』(共著)など。第32 回小山冨士夫記念賞(平成23 年)受賞。

徳留大輔 (トクドメダイスケ)

1975 年生まれ。九州大学大学院博士後期課程単位取得後退学。博士(比較社会文化)。山口県立萩美術館・浦上記念館学芸員を経て、現在、出光美術館主任学芸員。専門は中国考古学、中国陶磁史。著書・訳書等に『日本人の愛した中国陶磁 龍泉窯青磁』(共著)、『貿易陶磁器と東アジアの物流―平泉・博多・中国』(共著)、『中国文化財図鑑』(監訳)など。

新井崇之 (アライタカユキ)

1987 年生まれ。明治大学文学部史学地理学科アジア史専攻卒業。同大学院博士課程修了。博士(史学)。中国政府奨学金給費生として、北京大学考古文博学院に留学し、景徳鎮官窯の発掘などに従事。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)、筑波大学芸術系特別研究員。著書・論文に「『焼造瓷器則例章程冊』の基礎的研究」「『東洋陶磁』Vol.46」など。

目次

第1章 陶器の起源
第2章  新石器時代における陶器の分布と編年
 黄河流域の新石器時代陶器
 長江流域の新石器時代陶器
 その他の地区の新石器時代の陶器
 新石器時代陶器の製作と焼成方法
 新石器時代陶器の造形と装飾芸術
第3章  夏商周時期の主要な製陶工芸技法
 夏代に出現する灰陶、黒陶と白陶
 中原地区における商代陶器の主要な発展
 その他の地方色の強い青銅器時代の陶器
 戦国時期の特に芸術的な陶器
第4章  秦漢時期における陶器の発展と瓷器の出現
 秦代大型陶俑の焼成
 豊富で多彩な陶器
 後漢における瓷器の焼成
 漢代陶瓷工芸の到達点
第5章 魏晋南北朝時期の陶瓷
 三国、両晋時期の青瓷
 六朝青瓷と彩釉瓷器
 魏晋南北朝瓷器の造形と文様
第6章 隋代陶瓷の普及と向上
 白瓷の焼成の成功
 著名な青瓷の窯
 隋代青瓷の主要な特徴
 隋代陶瓷工芸の特色
第7章 唐代陶瓷の輝きと到達点
 南方・北方の青瓷の代表的な窯
 南北地方の白瓷の著名な窯
 独樹一幟の唐三彩
 唐・五代時期の陶瓷工芸の主要な到達点
 唐、五代時期における陶瓷器の対外輸出
 伝説中の五代名瓷ー柴窯器
第8章 宋代陶瓷の高峰
 定窯及びその類型
 磁州窯及び類型
 汝窯及びその類型
 鈞窯
 耀州窯及び類型
 景徳鎮及びその類型
 建窯及びその類型
 龍泉窯及びその類型
 哥窯及びその問題
 官窯及びその問題
 宋代製陶工芸の主要な到達点
 宋代陶瓷器の対外輸出と製作技術の伝播
第9章  遼金西夏陶瓷の民族風格(民族的雰囲気)
 遼・金陶瓷の主要産地
 遼・金遺址と墓葬出土の陶瓷器
 遼・金陶瓷の特徴
 西夏陶瓷の歴史概況
第10章  新しい道を開いた元代瓷器 
 景徳鎮及びその類型
 龍泉窯及びその類型
 磁州窯及びその類型
 鈞窯及び鈞窯類型
 その他の地方名窯
 琉璃器の製作
 元代陶瓷器の国内流通と対外輸出
第11章  明代陶瓷業の斬新な様相
 景徳鎮窯の突出した発展
 その他の地方窯の生産状況
 明代陶瓷工芸の主要な到達点
 明代陶瓷器の造形と装飾
 明代陶瓷器と技術の対外交流
第12章 清代陶瓷業の繁栄
 地方名窯の概況/景徳鎮窯の復興と発展/清代陶瓷器の造形と装飾/清代陶瓷と技術の伝播/清末民初(清代末期から民国初期)の陶瓷業

付録
 年表
中国古陶瓷用語対応表(中−英−日)

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