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ヤマアラシノカイソウ

ヤマアラシの回想

発売日 2026/11

判型 四六変型判   ISBN 978-4-336-07695-3

ページ数 256 頁   Cコード 0097

定価 3,080円 (本体価格2,800円)

内容紹介

現代アフリカ文学の最前線を紹介する、海外文学シリーズ《アフリカ文学の愉楽》第3回配本!

第3回配本は、現代アフリカ文学随一のヒップスター、コンゴ共和国出身のアラン・マバンクによる出色のルノドー賞受賞作!

その国には分身遣いがいるという——
秘儀を施された人間の〈有害な分身〉として、夜の闇に生きてきた一匹の雄ヤマアラシが、いまバオバブの老木を前に血塗られた半生を語る。
異常なまでに書物に執着する若者、欧州から来た白人の民族学者たち、裸を見せつけて呪いをかける老婆、奇妙な力を秘めた禍々しい双生児、はたまた肛門にヤシの実を詰めて人々の目を欺く邪な分身遣い……。
あの世とこの世、人間界と動物界の閾を揺るがす不穏な逸話の数々。
ヤシ酒の香り漂うアフリカの呪術的伝承を背景に抉り出される、人間の業の深さ、愚かしさを見よ!!

作家としてはじめてコレージュ・ド・フランスの招聘教授に着任、また国際ブッカー賞の選考委員を務めるなど、現代アフリカ文学の最重要作家のひとりとして活躍の場を世界的なものへと広げている、アラン・マバンクが放つ驚異と諧謔の暗黒綺譚!!

◉《アフリカ文学の愉楽》全6巻◉
【編集委員】
粟飯原文子、桑田光平、中尾沙季子、中村隆之、福島亮

◆アラン・マバンク(コンゴ共和国)
【第1回配本】
『割れたグラス』桑田光平 訳
バー"ツケ払いお断り"を舞台に繰り広げられる、酔いどれたちのめくるめく狂想曲!
コンゴ共和国出身、現代アフリカ文学随一のヒップスターによる代表作。

【第3回配本】
『ヤマアラシの回想』桑田光平・福島亮 訳
その国には分身遣いがいるという――
人間の〈有害な分身〉として生き、殺人を定めとされた一匹の雄ヤマアラシが語る人間界の悲喜劇。
人間の内奥を抉り出す、マバンクのルノドー賞受賞作。

◆ミア・コウト(モザンビーク)
【第2回配本】
『夢遊の大地』伊藤秋仁 訳
長引く内戦に荒廃したモザンビーク。
記憶喪失の少年とひとりの老人の幻想的な彷徨を、言葉遊びや詩的な描写を自由自在に駆使して、アフリカ的な幻想と現実が入り混じったイメージを浮かび上がらせる、カモンイス賞受賞作家のデビュー作にして世界中で読み継がれている代表作。

◆サミ・チャック(トーゴ)
『エルミナ』福島亮 訳
キューバやメキシコなどのさまざまな場所を舞台に、魔性の美少女とそれに魅せられた青年の淫靡な実践の数々。
「アフリカのサド」の異名をほしいままにするサミ・チャックが、プラトンから山田詠美、さらには作中小説『エルミナ』まで、めくるめく引用を重ねながら綴る、悦楽と残酷に満ちた代表作。

◆レオノラ・ミアノ(カメルーン)
『影の季節』粟飯原文子 訳
カメルーンのドゥアラを舞台のモデルに、口承によって受け継がれてきた大西洋横断奴隷貿易の起源に迫るフェミナ賞、メティス小説大賞受賞作。

◆アクウェケ・エメズィ(ナイジェリア)
『フレッシュウォーター』粟飯原文子 訳
ナイジェリア南部に暮らすアダは気性の激しい扱いにくい子どもだった。イボの言い伝えによれば、精霊オバンジェとして生まれた子はたいてい幼いときに死ぬが、オバンジェのアダは生き延びて16歳で大学進学のために渡米する。やがてアダの中の精霊/自己たちが力を増していき、痛ましい事件の後、名前を持つ存在が前面に現れ、身体を支配するようになるが……。
「複数のわたし」と対話し、折り合いをつけることとはどういう経験なのか。
いま世界でもっとも注目される作家のひとり、エメズィの鮮烈なデビュー作にして自伝的小説。

著者紹介

アラン・マバンク (アラン・マバンク)

1966年コンゴ共和国ポワント=ノワール生まれ。首都ブラザヴィルの大学で学んだのち渡仏、法学を修める。その後は法律コンサルタントとして働く傍ら、詩人として出発する。
最初の小説『赤―青―白』(1998年)はブラック・アフリカ文学大賞を受賞し、一躍注目を集める。2005年に発表した『割れたグラス』(本シリーズ第1回配本)ではフランコフォニー五大陸賞をはじめ数々の文学賞を受賞、翌年発表の『ヤマアラシの回想』(本シリーズ第3回配本)ではフランスでもっとも権威ある文学賞のひとつルノドー賞を受賞する。以降、現代アフリカ文学の最重要作家のひとりとして、その作品は20以上の言語に翻訳され、活躍の幅を世界的なものへと広げていく。
2006年よりカリフォルニア大学ロサンゼルス校の教授としてフランス語圏文学とクリエイティヴ・ライティングを教える。2015年には国際ブッカー賞のファイナリストに選出、さらには作家としてはじめてコレージュ・ド・フランスの招聘教授に着任する。2022年の国際ブッカー賞では選考委員を務める。
邦訳書に上述のコレージュ・ド・フランスでの講義録『アフリカ文学講義』(みすず書房)と自伝的作品『もうすぐ二〇歳』(晶文社)がある。

桑田光平 (クワダコウヘイ)

1974年広島県生まれ。東京大学教養学部・大学院総合文化研究科教授。専門は20世紀フランス文学・芸術。東京大学文学部で英米文学を学んだ後、同大学院でフランス文学を専攻。修士号取得後、リヨン高等師範学校、リヨン第2大学、パリ第4大学、パリ第8大学でフランス文学ならびに現代美術を学ぶ。2009年、パリ第4大学でロラン・バルトに関する博士号取得。2022年より現職。
主な著書に『ロラン・バルト 偶発事へのまなざし』(水声社)、『世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今』(共著・立東舎)、『東京時影 1964/202X』(共編著、羽鳥書店)など。訳書にロラン・バルト『ロラン・バルト 中国旅行ノート』(筑摩書房)、バルテュス/セミール・ゼキ『芸術と脳科学の対話』(青土社)、ジェラール・マセ『つれづれ草』、パスカル・キニャール『もっとも猥雑なもの』(ともに水声社)、ティフェーヌ・サモワイヨ『評伝ロラン・バルト』、ジョルジュ・ディディ=ユベルマン『われわれが見るもの、われわれを見つめるもの』(ともに共訳、水声社)、アラン・マバンク『割れたグラス』(国書刊行会)など多数。

福島亮 (フクシマリョウ)

1991年群馬県生まれ。富山大学学術研究部人文科学系専任講師。専門は20世紀フランス文学・フランス語圏文学・思想。共著に『クレオールの想像力 ネグリチュードから群島的思考へ』(水声社)、Au carrefour des Afriques Subsahariennes et de leurs diasporas(Geste éditions)など。訳書にアラン・マバンク『アフリカ文学講義』(共訳、みすず書房)、トリスタン・ガルシア『〈私たち〉とは何か 一人称複数の哲学』(共訳、法政大学出版局)などがある。

ヤマアラシの回想


*近刊

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