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マルペルチュイ

マルペルチュイ

ジャン・レー/ジョン・フランダース怪奇幻想作品集  

発売日 2021/07/16

判型 A5判   ISBN 978-4-336-07142-2

ページ数 532 頁   Cコード 0097

定価 5,060円 (本体価格4,600円)

内容紹介

《ベルギー幻想派の最高峰》
ジャン・レー/ジョン・フランダースの決定版作品集!


現代ゴシック・ファンタジーの最高傑作『マルペルチュイ』待望の新訳に加えて、ほとんどの収録作が初訳となる、幻の本邦初紹介短篇集2冊、枠物語的怪奇譚集『恐怖の輪』とJ・フランダース名義の幻想SF小説集『四次元』を収録。

飽くなき生への歓喜と病的でグロテスクな想像力を混淆させ、幻怪で濃密な文体によって独自の世界を創造した、作者絶頂期の精華を集大成。

***

【収録作】
『マルペルチュイ 不思議な家の物語』 Malpertuis: Histoire d’une maison fantastique
大伯父カッサーヴの奇妙な遺言に従い、莫大な遺産の相続と引き換えに〈マルペルチュイ〉館に住まうこととなった一族の者たち。
幽囚のごとき彼らが享楽と色恋に耽る一方、屋敷の暗闇には奇怪な存在がひそかに蠢き、やがて、住人たちが消える不可解な事件が立て続けに起こる。
一族の若き青年ジャン=ジャックはこの呪われた館を探索し、襲い来る幾重もの怖ろしい出来事の果てに、カッサーヴの末裔たちが抱える驚くべき秘密と真実に辿り着く……
満を持して新訳となる、ジャン・レーの代表作にして、『ゴーメンガースト』『アルゴールの城』に比肩する現代ゴシック・ファンタジーの最高傑作。

『恐怖の輪 リュリュに語る怖いお話』 Les Cercles de l’épouvante
中世騎士の義手が引き起こす怪、ディー博士の魔術道具の呪い、怪鳥ヴュルクとの凄絶な戦い……
幾重もの恐怖の輪が環をなす、収録11篇中10篇が本邦初訳の、父が愛娘に語る枠物語的怪奇譚集。

『四次元 幻想物語集』 Vierde Dimensie: fantastiche verhalen
自動人形に宿った死刑囚の魂の怪、顕微鏡の中に現れた小さな老人の化物、奇妙な逃亡呪術を用いる殺人犯を追う刑事……
収録全16篇が本邦初紹介となる、ジョン・フランダース名義のオランダ語怪奇幻想・SF・ミステリ短篇集。

***

装幀:坂野公一(welle design)
装画:ジャン・デルヴィル「メドゥーサ」(1893)
扉画:フェルナン・クノップフ「ブリュージュにて――正門」(1904頃)

著者紹介

ジャン・レー/ジョン・フランダース (ジャン・レー/ジョン・フランダース)

Jean Ray/John Flanders
1887年、ベルギー王国ヘント生まれ。本名レーモン・ジャン・マリ・ド・クレメール。市の職員として勤める傍ら雑誌に作品を投稿、1919年からはジャーナリスト、作家に身を投じる。1925年にラヴクラフト風の短篇「パウケンシュラーガー博士の異常な研究」を含む『ウイスキー奇譚集』を出版して世に認められるようになる。
現代ゴシック・ファンタジーの最高傑作『マルペルチュイ』(1943)をはじめ、中・短篇集『夜の主』(1942)『恐怖の輪』(1943)『新カンタベリー物語』(1944)『幽霊の書』(1947)、《ハリー・ディクソン》シリーズなど、怪奇幻想・SF・探偵小説の分野で数々の作品を残す。
ジャン・レーをはじめ多くのペンネームを用いたフランス語での創作の他、オランダ語作品も主にジョン・フランダース名義で多数執筆。
飽くなき生への歓喜と病的でグロテスクな想像力を混淆させ、幻怪で濃密な文体によって独自の世界を創造し、《ベルギー幻想派》の最高峰と目されている。
1964年逝去。
死後、その功績を讃えて「ジャン・レー文学賞」が創設された。

岩本和子 (イワモトカズコ)

神戸大学大学院国際文化学研究科教授。1959年島根県大田市生まれ。専攻はフランス語圏文学・芸術文化論(主にベルギーのフランス語文学、スタンダール研究)。博士(文学)。
著書に『周縁の文学 ベルギーのフランス語文学にみるナショナリズムの変遷』(松籟社、2007年)、『スタンダールと妹ポーリーヌ 作家への道』(青山社、2008)、『ベルギーとは何か? アイデンティティの多層性』(共編著、松籟社、2013)など。
訳書にデル・リット『スタンダールの生涯』(共訳、法政大学出版局、2007)、『幻想の坩堝 ベルギー・フランス語幻想短編集』(共訳、松籟社、2016)など。

井内千紗 (イノウチチサ)

拓殖大学商学部助教。兵庫県生まれ。専攻は地域文化研究(ベルギー・オランダ語圏)、文化政策、オランダ語文芸翻訳。
著書に『ベルギーの「移民」社会と文化 新たな文化的多層性に向けて』(共編著、松籟社、2021)、『現代ベルギー政治 連邦化後の20年』(共著、ミネルヴァ書房、2018)など。訳書にアンネリース・ヴェルベーケ『ネムレ!』(松籟社、2018)など。

白田由樹 (シラタユキ)

大阪公立大学大学院文学研究科教授。博士(文学)
[専門分野]十九世紀末のフランス語圏文化、ジェンダーおよびエスニシティ表象。
[主要業績]著書:『サラ・ベルナール——メディアと虚構のミューズ』(大阪公立大学共同出版会、2009年)。翻訳:『マルペルチュイ ジャン・レー/ジョン・フランダース怪奇幻想作品集』(共訳、国書刊行会、2021年)。

原野葉子 (ハラノヨウコ)

大阪市立大学大学院文学研究科准教授。1975年広島県広島市生まれ。専攻は20世紀フランス文学(ボリス・ヴィアン研究)。博士(人間・環境学)。
訳書にレーモン・クノー『文体練習』(共訳、水声社、2012)、ボリス・ヴィアン『夢かもしれない娯楽の技術』(編訳、水声社、2014)。

松原冬二 (マツバラトウジ)

京都大学非常勤講師。1977年京都府生まれ。専攻は20世紀フランス文学(幻想文学、アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ研究)。
著書に『アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ イタリアをめぐる幻想の美学』(水声社、2019)、論文に「『Oの物語』におけるフクロウの仮面 マンディアルグと「仮面」をめぐる一考察」(『フランス語フランス文学研究』第115号、日本フランス語フランス文学会、2019)、「三島由紀夫とマンディアルグ(Ⅱ) 薔薇・刃・聖セバスティアン」(『仏文研究』第51号、京都大学フランス語学フランス文学研究会、2020)など。

目次

【ジャン・レー名義作品】
『マルペルチュイ 不思議な家の物語』(岩本和子訳)
  執筆者紹介 序文および解説に代えて
 序章
  アナカルシスが見たもの
 第一部 アレクタ
  第一章 カッサーヴ伯父の死
  第二章 マルペルチュイの屋敷
  第三章 ソロモンの雅歌
  第四章 バリーズ河岸の家
  第五章 デイドロー退場……ナンシー退場……チーク退場……
  第六章 クリスマスの悪夢
 挿入章
  神々の捕獲
 第二部 ウリアル
  第七章 マルペルチュイの呼び声
  第八章 ランプを消す者
  第九章 聖燭祭の夜
  第十章 ドゥースダム神父が語る……
  第十一章 三月十五日
  第十二章 アイゼンゴットが語る
 終章
  テルミヌス神

『恐怖の輪 リュリュに語る怖いお話』(白田由樹・原野葉子・松原冬二訳)
 はじめに――輪
 ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンの手
 ムスティエ焼の皿
 マーリーヴェック墓地
 最後の旅人
 悪魔に挑んだ男
 デューラー
 幽霊宿
 ヴュルクの物語
 黒い鏡
 終わりに――輪の外で

【ジョン・フランダース名義作品】
『四次元 幻想物語集』(井内千紗訳)
 空中の手記
 ロボット
 空腹の来訪者
 マチルダ・スミスの目
 深夜の乗客
 幽霊と結婚した男
 海の幽霊
 砂漠の城
 一滴の化け物
 火山から届いたメモ
 地獄の森
 空白の二時間
 生きた炎
 相席
 鏡の中の顔
 鼓動する影

 ジャン・レー/ジョン・フランダース怪奇幻想作品集 解説(岩本和子・井内千紗)

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