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ワビサビノテツガク

侘び寂びの哲学

日本人の哲学を求めて  

平井嵩

発売日 2019/10/21

判型 四六判   ISBN 978-4-336-06456-1

ページ数 288 頁   Cコード 0010

定価 2,420円 (本体価格2,200円)

内容紹介

「侘び寂び」に日本独自の哲学を見つける! 茶道の精神とされている「侘び寂び」は日本的美の様式としてのみ考えられ、本来持っている哲学的思想や利休などの先祖がそれにこめた実践的倫理思想を忘却してしまっている。本書は「侘び寂び」から日本人の哲学を採掘し、「古来哲学してこなかった」といわれている日本人の深い土着的哲学思想をそのなかに見出している。


著者紹介

平井嵩 (ヒライタカシ)

 1937年生。香川県丸亀市出身。丸亀高等学校卒。早稲田大学文学部仏文卒。
 若年時小説家を志し同人誌「分身」を主宰し、文芸雑誌「早稲田文学」、「三田文学」などにも発表した。その後サラリーマンを終えた後、哲学、思想史、とくに日本人論に興味を持ち研究、現在まで『日本人の黙示思想』(2011年)『人類精神史批判』(2013年)『日本は近代思想をやり直せ』(2016年)出版。外に季刊新聞「鎌倉評論」を発行。地方政治評論を書く。 「日本人は哲学してこなかった」といわれてきたが、逆に日本人の生き方自体に深い哲学性があると気づきその哲学をロゴス化しようと努めている。共鳴する同志を求めている。

目次

はじめに 
 反日本講壇(アカデミー)哲学 
 反西洋哲学 
 「侘び寂び」に日本哲学を求めて 
第一章 「侘び寂び」は単なる美に非ず 日本人の実践倫理である 
 岡倉天心の錯誤 
 寂びの思想 
 「侘び寂び」の美は本当に美か 
 「侘び寂び」の実践倫理とはどんなものか 
第二章 「侘び寂び」の源流 現世主義精神 
 黙示思想としての現世主義 
 現世主義というエートス 
第三章 現世主義の心情としての無常観
 無常観はどこから来たか 
 無常観の深まりから開き直りへ 
 無常観のなかから起こった中世芸術 能と幽玄 連歌 茶の湯 
第四章 現世主義とようなき者 
 ようなき者の始まり 
 ようなき者の系譜 
第五章 現世主義がもたらす心情 存在論的「かなしみ」 
第六章みずから(主体)とおのずから(自然)――「おのずから」に存在本質を求めた日本人の哲学 
 現世主義は存在論に立つ 
 西洋の主体主義哲学 
 主体とは何か 
 西洋の主体主義哲学の歴史と破綻 
 日本人は「おのずから(自然)」に主体性をみる
 「おのずから(自然)」は神道につながる
 自然に対する日本人の矛盾した行動 
 芭蕉にみる「おのずから」の哲学 
 「みずから」という日本人の主体 
 「みずから(日本的主体)」の生き方 
 日本史に初めて現れたさむらいという主体主義者 
 切腹というさむらいの主体性のありか 
第七章 「侘び寂び」思想の表現としての茶の湯 
 「侘び寂び」を倫理思想として捉えることの重要性 
 中国喫茶風俗の渡来 
 宗教としての茶の湯 
「茶の湯教」前史 
 茶の湯教の成立過程 
 茶の湯教の成立 千利休の出現 
 草庵茶の始まり 書院での台子による茶事から草庵での炉による茶事へ 
 躙り口の意味 
 露地と蹲 
 過度な趣向の否定 
 点前の始まり 
 正座の始まり 
 回し飲み(すい茶)と畳に碗を置いて供する意味
 懐石料理の出現と後段茶席の否定 
 習い(型)の否定 
 名物茶器の排除 
 目利きの必要性 
 茶の湯の服装 
 茶陶に表現された「侘び寂び」思想 
 茶杓のもつ寂び 
 茶会記の意味 
第八章 利休後 茶の湯教教祖の死と後継者 
 利休の死 
 古田織部 ひょうげ者の異端 
 小堀遠州 きれい寂びの異端 
 金森宗和 侘び寂びからの逸脱 野々村仁清の陶器美 
 利休の血統 利休への回帰と教団化(家元制) 千家の貴族化 
 江戸期の大名茶人 「侘び寂び」の謙虚神に集う大名たち 
 現代の茶の湯 
あとがき 
参考文献 

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