シロカラシロ
城から城
発売日 2003/06/10
判型 A5変型判 ISBN 978-4-336-02672-9
ページ数 384 頁
定価 6,380円 (本体価格5,800円)
崩壊寸前のドイツ=ジークマリンゲンでの亡命生活を描く《亡命3部作》第1作。汚濁と卑小さが渦巻く現地での体験の回想と、「現在」の窮状が交互に描き出される。セリーヌの復活を決定づけた名作。
L=F・セリーヌ (ルイフェルディナンセリーヌ)
1894年パリ生まれ。パリ大学医学部を経て国際連盟衛生局員となり医療施設の視察団長として世界各地を旅行。退職後パリ郊外の無料診察所の医師を勤めながら1932年『夜の果てへの旅』を発表。その破格な文体と衝撃的内容によって世界の読書界に一大旋風を巻き起こす。不正の象徴としての「ユダヤ人」に鋭い筆鋒を向け、戦後は対独協力作家として投獄される。その死に際しては司祭から葬儀の執行を拒否されるなど「呪われた作家」として生涯を送ったが、サルトル、ミラー、クノーなど、現代の文学者たちに対する彼の影響は測り知れない。
高坂和彦 (コウサカカズヒコ)
1932年、東京生まれ。主要訳書にセルジュ『革命元年』、バルト『エッセ・クリティック』等がある。