書籍詳細
オムニセクシュアル
オムニセクシュアル
ジェフ・ライマン傑作選
- 発売日
- 2026/09/14
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 978-4-336-07884-1
- ページ数
- 400頁
定価 3,300円(本体価格3,000円)
内容紹介
[海外SF叢書《オムニフィクション》第1回配本]
世界は受精する――武器を妊娠する女、他人の子を孕んだ男。
記憶と歓び、土地の痛み、肉塊から抉り出される濡れた希望の物語。
ポストコロニアルSFの最高傑作「征たれざる国」「ポル・ポトの美しい娘」が蘇る。さらに「バース・デイズ」「あの影が笑う」ほか多彩な作品を厳選する日本オリジナル傑作選。
◇ ◇ ◇
故郷を追われた少女は、子宮で育てた武器を売って暮らす。泣き声をあげる生きた家、生物兵器、凄惨な強制移住。生の極限を幻想的にえがく傑作中篇の増補版「征たれざる国――ある一代記」。
亡霊の憑いたプリンタが、死者の写真を出力する。携帯電話、テレビ、ロボット犬が、亡きひとの声で語りだす。娘の物語が土地の傷を照らす「ポル・ポトの美しい娘」。
精子同士の受精に成功し、腸にあまたの子を宿す男性たちの魅惑の楽園がひらかれる「バース・デイズ」。
単為生殖の人びとが住む静かな島で、訪問者が独善的な恋をする「影たちは笑う」。
地動説派と天動説派の対立する諜報の場に若きシェイクスピアがもし居合わせたら、彼はSF戯曲を書いたのか。奇想天外な歴史改変もの「ロザリオとゴールデンスター」。
民族対立と歴史的トラウマの刻み込まれた運命に抗う家族の物語「ぼくたちが見つけたもの」。
ほか初期から後期にいたるまでのライマンの傑作を選りすぐった全9篇。
◇ ◇ ◇
わたしたちは駆け抜けねばならない。
みずみずしくも血生臭い皮膚、まなざし、言葉、臓腑、粘ついた呼吸、とめどなく何かのあふれる身体が無数の脚で踊りつづけるところまで。
[あらゆる身体に捧ぐ 海外SF叢書《オムニフィクション》全6巻]
「今、ここに、わたしの身体と心の置き場所がなくても、SFの中にはいつもあった」——池澤春菜
「いずれも楽しみな作品ばかり。まさに期待値マックスなシリーズで、どの作品から読むべきか、悩んでしまう」——小川公代
「役者は揃った、再び未来を始めよう」——伴名練
◇ ◇ ◇
*『オムニセクシュアル ジェフ・ライマン傑作選』
ジェフ・ライマン 著 鯨井久志 編訳 中村融・古沢嘉通 訳
*『あなたが辿りつけない時間 夏笳自薦作品集』
夏笳 著 立原透耶・上原かおり 訳
*『世界の壁をのぼって』
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア 著 小野田和子 訳
*『わたしの死 リサ・タトル怪奇SF選』
リサ・タトル 著 若島正 編訳 堀川夢・戸田由美子・幹遙子 訳
*『花咲くフベアの下で』
アンヘリカ・ゴロディシェル 著 宮﨑真紀 訳
*『母親とその他の怪物』
モーリーン・F・マクヒュー 著 小澤身和子・岸本佐知子・柴田元幸 訳
◇ ◇ ◇
装幀=大倉真一郎
著者紹介
ジェフ・ライマン (ジェフ・ライマン)
(Geoff Ryman)1951年カナダ生まれ。作家。アメリカで育ち、イギリスで活動する。1976年デビュー。1984年、中篇「征たれざる国」を発表し、SF界に衝撃を与える。本作は英国SF協会賞と世界幻想文学大賞を受賞。『The Child Garden』(1989)でアーサー・C・クラーク賞とジョン・W・キャンベル記念賞を受賞。『夢の終わりに…』(1992)で世界幻想文学大賞候補、ゲイラクティック・スペクトラム賞を受賞。『253』(1998)でフィリップ・K・ディック賞を受賞。『エア』(2004)で英国SF協会賞、クラーク賞、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞、サンバースト賞を受賞。「ポル・ポトの美しい娘」(2006)でヒューゴー賞候補。作品集『Paradise Tales』(2011)でサンバースト賞を受賞。「ぼくたちが見つけたもの」(2011)でネビュラ賞を受賞。2026年、中短篇を選り抜いた本邦初の傑作選『オムニセクシュアル』が刊行される。
鯨井久志 (クジライヒサシ)
1996年大阪府生まれ。翻訳家、書評家、精神科医。訳書にキアナン『溺れる少女』(河出書房新社)、スラデック『チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク』(竹書房)。海外文学レビュー・評論同人誌『カモガワGブックス』を主宰。
中村融 (ナカムラトオル)
1960年愛知県生まれ。翻訳家、アンソロジスト。訳書にブラッドベリ『10月はたそがれの国』(東京創元社)、ウェルズ『宇宙戦争』(東京創元社)、クラーク『宇宙への序曲[新訳版]』(早川書房)ほか多数。編書に『時の娘』(東京創元社)、『ワイオミング生まれの宇宙飛行士』(早川書房)など。
古沢嘉通 (フルサワヨシミチ)
1958年北海道生まれ。翻訳家。訳書にライマン『エア』(共訳、早川書房)、『夢の終わりに…』(早川書房)、R・F・クァン『バベル』(東京創元社)、ケン・リュウ『紙の動物園』(早川書房)、プリースト『限りなき夏』(国書刊行会)、コナリー『迷宮』(講談社)ほか多数。
目次
バース・デイズ (鯨井久志訳)
影たちは笑う (鯨井久志訳)
オムニセクシュアル (中村融訳)
ポル・ポトの美しい娘 (古沢嘉通訳)
征たれざる国――ある一代記 (中村融訳)
ロザリオとゴールデンスター (鯨井久志訳)
ホーム (鯨井久志訳)
ぬくもり (鯨井久志訳)
ぼくたちが見つけたもの (鯨井久志訳)
解説・鯨井久志

