国書刊行会

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書籍詳細

ソレイヌ

愛蔵版

それいぬ

正しい乙女になるために

嶽本野ばら

発売日
2026/01
判型
B6判
ISBN
978-4-336-07800-1
ページ数
336頁

定価 4,400円(本体価格4,000円)

内容紹介

嶽本野ばら伝説のデビュー作にして、
すべての乙女たちの聖典、書架必携の特装愛蔵版。
1998年、〈乙女のカリスマ〉此処に誕生す―― 


▼本文より

「もし、本書のせいで貴方の人生が狂ってしまったのなら、これから共に歩んでいきましょうね。僕達はずっとずっと、一緒です。」

「もう、泣かないで下さい。僕達は、赦されているのです。」

「貴方は小春日和に似ています。それが僕を哀しくさせます。」

「貴方はずっと貴方が愛した貴方でしかないことだけは覚えておいて下さい。」

「フリルもリボンも、私が私に愛される為の小道具です。」

「品性があればこそ、乙女は意地悪でも我儘でも、盗人でも赤貧でも赦されるのです。」

「乙女は可愛さに対して求道的でなければなりません。」


* 本書は、『花形文化通信』(一九九二・六‐一九九七・九)を初出とする単行本『それいぬ――正しい乙女になるために』(国書刊行会、一九九八・五)に、五篇の文庫版増補および「文庫版あとがき」(文藝春秋、二〇〇一・三)、書き下ろしの「序文」「愛蔵版の為のあとがき」を加えた愛蔵版です。

* 特別付録 謹製〈蔵書票〉つき

* 装幀 松田行正 + 山内雅貴

著者紹介

嶽本野ばら (タケモトノバラ)

京都府宇治市生まれ。1998年に初のエッセイ集『それいぬ─正しい乙女になるために』でデビュー。2000年に初の小説集『ミシン』を刊行して以降、少女文化やストリートカルチャーを原点にした独特の世界観で支持を集める。主著に三島由紀夫賞候補作となった『エミリー』『ロリヰタ。』の他、『下妻物語』『ハピネス』『ロリータ・ファッション』『ピクニック部』『天橋立物語』などがある。

目次

序文 愛蔵版に寄せて

春の日には、菜の花畑
お友達なんていらないっ
プラネタリウムと摸造少女
前略 乙女の君に
時を駆ける宇野重吉
私の彼はミスター・スポック
J・コーネル展に寄せて
一九九三年ロボコンの旅
皇室礼讃
乙女と性欲
春の初めの乙女のコートは
ジェーン・バーキンへのお手紙
朝のデカダンス
幻想の植物乙女
花咲くエメラルドのお域の星の歌
かき氷を食べた話
スミレの花の魔法の阪急電車
博物館とお葬式
公女様は意地悪がお好き
品性に就いて
F式・秘密の花園
ロリータの卵
愛はだし惜しみして使う
アンドロメダの雑貨屋譚
努力と根性
幾何学のミッフィー
弥生美術館
雨の日の過ごしかた
ポーの一族、又は近親相姦の勧め
恋愛に優しいサイコロジー
美しき道徳
心中する心中
ボロは着てても心のロリータ
切なさに就いて
オムレツと矜持
お化粧するは我にあり
人を恋うるエッセイ
乙女・失格
トウキョウディズニーランドニイク
有元利夫――メビウスのロンド
野ばらちゃんとクリスチャン
石ふしぎ発見展の不思議な琥珀店
オームの法則――考察その一
ライオンは起きている
野ばらはひなぎくになりたい
ナルシス.此れ、プシケの夢
お月見に行く
正しいロックをする為に
女学生なら京都で食せよ冨美家なべ
砒素のように
小春日和[十一月から十二月の晴れた暖かな日のこと]
カントリーなんて糞くらいあそばせ!
春は桜
野望という名の結婚
異国の地に暮らすこと、又は一角獣の想い出
中井英夫『とらんぷ譚』の為に
ノバラン、ウエストウッドを語る
無題
宝石と香水、モズクと毒薬、オバサマと僕
八〇年代世界一周旅行
太宰調ノエル
元旦の君は髑髏の大振袖
愛と洗顔
ご飯はフォークの背にのせて
アンティーク趣味と未来への不安に就いて
夢みるドレス――CDなき二十世紀の恐怖
春の病と盆栽少女
ファンの心――基本的恋愛権の尊重と戦争放棄
諦念――プロポーズ
いやいやえん
歪みの構造――ディストーションと像幅
左様なら三角また来ても三角
コアラのマーチ――或いは双子の受難曲

初刊版あとがき
文庫版あとがき
愛蔵版あとがき