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書籍詳細

12か月の本 7

シチガツノホン

7月の本

西崎憲
長野まゆみ川端康成尾形亀之助岡本綺堂志賀直哉海野十三穂村弘スティーヴン・ミルハウザー 他著
柴田元幸 他訳

発売日
2025/06/19
判型
B6変型判
ISBN
978-4-336-07740-0
ページ数
296頁

定価 3,080円(本体価格2,800円)

内容紹介

時代も場所もまったく異なる文学作品たちをつなぐテーマは〈12か月〉――

12か月のうちの〈7月〉をテーマに古今東西の小説・詩歌・随筆を集めたアンソロジー。
四季をあじわい、あの作品といま同じ季節を生きるよろこびをつくる本。シリーズ全12巻。

装丁:岡本洋平(岡本デザイン室)

著者紹介

西崎憲 (ニシザキケン)

翻訳家、作家、アンソロジスト。訳書にコッパード『郵便局と蛇』、『ヘミングウェイ短篇集』、『青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集』など。著書に第十四回ファンタジーノベル大賞受賞作『世界の果ての庭』、『蕃東国年代記』『未知の鳥類がやってくるまで』『全ロック史』『本の幽霊』など。フラワーしげる名義で歌集『ビットとデシベル』『世界学校』。電子書籍や音楽のレーベル〈惑星と口笛〉主宰。音楽家でもある。

長野まゆみ (ナガノマユミ)

東京生れ。1988年『少年アリス』で文藝賞受賞。2015年『冥途あり』で泉鏡花文学賞、野間文芸賞受賞。『テレヴィジョン・シティ』『猫道楽』『鳩の栖』『箪笥のなか』『チマチマ記』『デカルコマニア』『ささみみささめ』『団地で暮らそう!』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『さくら、うるわし』『カムパネルラ版銀河鉄道の夜』『45°ここだけの話』などがある。 近著は『長野まゆみの偏愛耽美作品集』『ゴッホの犬と耳とひまわり』 公式HP http://www.mimineko.co.jp 公式X(Twitter)耳猫風信社

川端康成 (カワバタヤスナリ)

小説家。一八九九年生。小説に「伊豆の踊子」「雪国」「眠れる美女」など。一九七二年没。

尾形亀之助 (オガタカメノスケ)

詩人。一九〇〇年生。村山知義らと前衛美術団体マヴォを結成した他、宮沢賢治らが寄稿していた詩誌「月曜」を主宰するなど精力的な文学活動を行ったが、晩年は貧困と病苦のなか無頼の人生を送った。詩集に「色ガラスの街」「雨になる朝」など。一九四二年没。

岡本綺堂 (オカモトキドウ)

劇作家、小説家。一八七二年生。新歌舞伎運動に加わり、戯曲「修善寺物語」などを発表した。小説に「半七捕物帳」「玉藻の前」など。 一九三九年没。

志賀直哉 (シガナオヤ)

小説家。一八八三年生。小説に「暗夜行路」「和解」「城の崎にて」「小僧の神様」など。一九七一年没。

海野十三 (ウンノジュウザ)

小説家、科学解説家。一八九七年生。逓信省電気試験所に技師として勤めながら探偵小説雑誌「新青年」などに作品を発表した。小説に「蠅男」「火葬国風景」「深夜の市長」など。一九四九年没。

穂村弘 (ホムラヒロシ)

歌人。一九六二年生。歌集に「シンジケート」「水中翼船炎上中」、短編小説集に「車掌」、エッセイに「蛸足ノート」など。

スティーヴン・ミルハウザー (スティーヴン・ミルハウザー)

アメリカの作家。一九四三年生。小説にピューリッツァー賞受賞作「マーティン・ドレスラーの夢」、「エドウィン・マルハウス」「ナイフ投げ師」など。

柴田元幸 (シバタモトユキ)

翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザーなど現代アメリカ小説の翻訳多数。主な訳書にマーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』(研究社、2017年)、スチュアート・ダイベック『シカゴ育ち』(白水Uブックス、2003年)、エドワード・ゴーリー『うろんな客』(河出書房新社、2000年)。主な著書に『ケンブリッジ・サーカス』(新潮文庫、2018年)。文芸誌『MONKEY』(スイッチ・パブリッシング)責任編集。

目次

キュー植物園(ヴァージニア・ウルフ/西崎憲訳)
黄泉から(久生十蘭)
月の船で行く(長野まゆみ)
青い海黒い海(川端康成)
七月の 朝の(尾形亀之助)
あまたの叉路の庭(ホルヘ・ルイス・ボルヘス/西崎憲訳)
はなしの話(岡本綺堂)
電車停留場(豊島与志雄)
黄いろいレトリック(北園克衛)
ほおずき市(沢村貞子)
魚の餌(梅崎春生)
あいつらにはジャズって呼ばせておけ(ジーン・リース/西崎憲訳)
出来事(志賀直哉)
むぎ湯(鏑木清方)
三十年後の東京(海野十三)
僕の夏休み(穂村弘)
張光熊〔「子不語」より〕(袁牧/邑楽愼一訳)
アリスは、落ちながら(スティーヴン・ミルハウザー/柴田元幸訳)
 跋 時間と七月(西崎憲)