国書刊行会

買物カゴを見る

書籍詳細

モンショウトジカン

紋章と時間

諏訪哲史文学芸術論集

諏訪哲史

発売日
2018/03/23
判型
四六判
ISBN
978-4-336-06249-9
ページ数
496頁

定価 3,960円(本体価格3,600円)

※在庫あり

オンライン書店で購入する

  • amazon.co.jp
  • honto
  • セブンネットショッピング
  • 楽天ブックス
  • 紀伊国屋書店
  • e-hon
  • Honya Club

店頭在庫を確認する

内容紹介

「時代錯誤な芸術至上主義者」を自任する著者が《マイナー文学》を論じ、[聖]澁澤龍彦、[怪人の師]種村季弘を始め、ランボー、村上春樹、夢野久作、中原中也、あがた森魚、四谷シモン、中島らも他を語る。大好評だった前著『偏愛蔵書室』に続く渾身の評論集。本書だけに書き下ろした重要稿《言語芸術論》80枚に、多和田葉子・谷川渥との対談も収録。

著者紹介

諏訪哲史 (スワテツシ)

1969年名古屋市生まれ。
國學院大学文学部哲学科卒業。恩師は独文学者の故種村季弘。
2007年小説「アサッテの人」で群像新人文学賞・芥川賞受賞。
著書に『アサッテの人』『りすん』『ロンバルディア遠景』
(講談社刊)、『領土』『岩塩の女王』(新潮社)ほか。

目次

目次


序章
言語芸術論 音楽と美術の精神からの文学の誕生

Ⅰ 言語芸術について
神々との里程
「作為見透かし症候群」について
文学のヘンタイを極める 講演録
どうすれば小説が書けるのですか?
「マイナー文学」と小説狂の詩
小説狂と呼ばれて 講演録
なぜ「書くこと」は「読むこと」なのか
わが内なる「外国語」 パリ大学のシンポジウムでの発表の報告
小説とは、芥川賞とはなにか
「声」、「文字」、「身体」の僕
言語芸術と「孤独」
「芸術」から「遊具」へ

Ⅱ 作家論・作品論
澁澤龍彦が遺したもの 生誕八十年に際し
自画像としての静物たち 『澁澤龍彦 ドラコニア・ワールド』
澁澤さんが見ている
澁澤龍彦『エロス的人間』解説
サド、澁澤、その裏返された「聖性」
時には母のない子のように 『老魔法使い――種村季弘遺稿翻訳集』
『怪奇・幻想・綺想文学集―-種村季弘翻訳集成』
『種村季弘傑作撰Ⅰ・Ⅱ』解説
恩師種村季弘を語る 講演録(『種村季弘傑作撰Ⅰ・Ⅱ』出版記念)
『島尾敏雄日記――『死の棘』までの日々』
「声」との遭遇―-再帰する他者たち 古井由吉『やすらい花』
「謡い」の思考 古井由吉『蜩の声』
華麗なる罵倒 『ランボー全詩集』鈴木創士訳
ここに詩おわり、そしてここに詩はじまる 『ランボー全集個人新訳』鈴村和成訳
村上春樹『1Q84』を読む
村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』 インタビュー
『カフカ式練習帳』 保坂和志
『朝霧通信』 保坂和志
ある年の読書日記
六つの文学批評 
「漂流」への意志、ふたたび
百年目の太宰治 太宰治生誕百年
莫言さんとの出会い
ダダと「言葉の刻印力」―-中原中也の詩
もしも言葉が液体であったなら 川上未映子『先端で、さすわさされるわそらええわ』
Louisのいない透視図 前田塁『小説の設計図』
清水義範『イマジン』解説
『ポルト・リガトの館』 横尾忠則
『語感の辞典』 中村明
旅先で読む本 この時季おすすめの三冊と次の旅に持って行きたい本
煮え切らぬ時代の物語 広小路尚祈『金貸しから物書きまで』
三十一文字の私小説 野口あや子『夏にふれる』解説
私が選ぶ国書刊行会の三冊
書くこと……その愛と狂気 カフカ『ミレナへの手紙』池内紀訳
わが青春のフランス書院
らもん(中島らも)『全ての聖夜の鎖』解説
出版社を読破せよ!
古代が懐かしい……西脇順三郎の「永遠=超時間」 講演録
鉄路の先の異界 ステファン・グラビンスキ『動きの悪魔』芝田文乃訳
夜の夢こそ「リアル」
万華鏡の破れ穴 日影丈吉
GOZO―-器官なき「音楽体」 吉増剛造『GOZOノート1 コジキの思想』
「狂Q病」時代のニッポン 
瓶詰の亜細亜 夢野久作
小説は身をひるがえす 対談・多和田葉子×諏訪哲史

Ⅲ 音楽・美術・その他
若きスノッブたち 哲学科時代の思い出
一筆書きツァラのこと
あがた森魚詩集『モリオ・アガタ1972~1989』
落ちた偶像 十六年ぶりのボブ・ディラン 
あがた森魚、もしくは詩の伝来 異邦からの二つの航路
友部正人「誰もぼくの絵を描けないだろう」
マリエンバートに囚われて
生の「絶対値」を求めて アキバ事件から考える
思い出の映画を、ひとつ
四谷シモン もしくは暴かれた「芸術の人形性」
夢のなかの書店
エロティシズムと聖性 プーシキン美術館展
書肆孤島の思い出
顔剥ぎ横丁 七ツ寺共同スタジオ四十周年に寄す
民話「とうせん坊」のこと
夜ごとの幻燈 山下陽子と闇のなかの光源
古代密儀的美術批評 相馬俊樹『アナムネシスの光芒へ』跋
村上芳正さんの『コクトー詩集』 『岩塩の女王』あとがきのあとがき
村上芳正 美に身を捧げた装画家

Ⅳ 自作について
いま小説を書くということ
『アサッテの人』と『りすん』
かなしい、のはなし
『ロンバルディア遠景』への個人的所見 「ナハト」同人からの手紙
『アサッテの人』文庫版あとがき
『アサッテの人』中国語版刊行に際して
『りすん』文庫版あとがき
『領土』あとがき
点点点丸転転丸
『岩塩の女王』あとがき
「アサッテの人」執筆前夜 対談・谷川渥×諏訪哲史

あとがき