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書籍詳細

後藤明生コレクション 4

ゴトウメイセイコレクション4コウキ

後藤明生コレクション4 後期

後藤明生
いとうせいこう奥泉光島田雅彦渡部直己 編集委員

発売日
2017/07/14
判型
四六変型判
ISBN
978-4-336-06054-9
ページ数
500頁

定価 3,300円(本体価格3,000円)

※在庫あり

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内容紹介

信濃追分の山小屋で、スズメ蜂に刺され九死に一生を得たわたしは、その顚末と考察を「蜂アカデミー」へ報告すべく、古今東西の文献を渉猟し、蜂の被害を報じた新聞記事を蒐集し、果ては蜂被害者の取材へと出掛けていく。「蜂アカデミー」への報告に仮託した“蜂の博物誌”「蜂アカデミーへの報告」。単身赴任の初老の男が、地図を片手に大阪の街を歩き回る。ある時はマーラーの交響曲を聴くために、またある時は「四天王寺ワッソ」の見物に。そしてその道行きの末に俊徳丸の墓と思しき古墳へとたどり着く。大阪の日常を幻想空間へと異化する「しんとく問答」ほか、全16作を収録。

月報=黒井千次・阿部和重・柴崎友香
装画=タダジュン
装訂=川名潤(川名潤装丁事務所)

著者紹介

後藤明生 (ゴトウメイセイ)

1932年、旧朝鮮咸鏡南道永興郡永興邑(現在の朝鮮民主主義人民共和国)で生まれる。1946年、38度線を越境、福岡県に引き揚げる。1953年、早稲田大学露文科入学。1955年、「赤と黒の記憶」が第4回全国学生小説コンクール入選。大学卒業後、博報堂を経て平凡出版(現マガジンハウス)入社。1962年、「関係」が第1回文芸賞中短篇部門の佳作となる。1968年、平凡出版を退社し、小説家専業に。1989年、近畿大学文芸学部教授、1993年に学部長となる。1977年に『夢かたり』で平林たい子文学賞、1981年に『吉野大夫』で谷崎潤一郎賞、1982年に『笑いの方法―あるいはニコライ・ゴーゴリ』で池田健太郎賞、1990年に『首塚の上のアドバルーン』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。

いとうせいこう (イトウセイコウ)

作家・クリエイター。1961年東京都生まれ。早稲田大学法学部卒業後、出版社の編集を経て、音楽や舞台、テレビなどの分野でも活躍。1988年『ノーライフキング』で作家デビュー。1999年『ボタニカル・ライフ』で第15回講談社エッセイ賞、2013年『想像ラジオ』で第35回野間文芸新人賞、第2回静岡書店大賞(小説部門)を受賞。

奥泉光 (オクイズミヒカル)

1956年山形県生まれ。国際基督教大学教養学部人文科学科卒業。同大学院博士前期課程修了。1986年、すばる文学賞の最終候補作『地の鳥 天の魚群』を「すばる」に発表しデビュー。主な著作に『ノヴァーリスの引用』(第15回野間文芸新人賞)、『石の来歴』(表題作で第110回芥川龍之介賞)、『神器―軍艦「橿原」殺人事件』(第62回野間文芸賞)、『東京自叙伝』(第50回谷崎潤一郎賞)などがある。

島田雅彦 (シマダマサヒコ)

1961年東京都生まれ、川崎育ち。東京外国語大学ロシア語学科在学中の1983年『優しいサヨクのための嬉遊曲』が芥川賞候補となり、作家デビュー。1984年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、1992年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞、2006年『退廃姉妹』で伊藤整文学賞、2008年『カオスの娘』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。2010年下半期より芥川賞選考委員を務める。現在、法政大学国際文化学部教授。

渡部直己 (ワタナベナオミ)

1952年東京都生まれ。現在、早稲田大学文学学術院教授。主な著書に、『中上健次論』、『不敬文学論序説』、『日本小説技術史』『日本批評大全』などがある。

目次

『饗宴』問答
謎の手紙をめぐる数通の手紙
鰐か鯨か
蜂アカデミーへの報告
ピラミッドトーク
ジャムの空壜
禁煙問答
『芋粥』問答
マーラーの夜
十七枚の写真
大阪城ワッソ
四天王寺ワッソ
俊徳道
贋俊徳道名所図会
しんとく問答
麓迷亭通信

分裂的楕円高速回転(いとうせいこう)