書籍詳細
ランシドクシャノエスエフコウギ
乱視読者のSF講義
- 発売日
- 2011/11/21
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 978-4-336-05441-8
- ページ数
- 320頁
定価 2,640円(本体価格2,400円)
内容紹介
冒険、帰還、英米短篇講義、新冒険、ミステリ散歩と続く乱視読者シリーズ第6弾はSF講義! ウェルズからレムまで、作品の魅力を丁寧かつ明快に読み解く「乱視読者のSF短篇講義」(SFマガジン連載)を中心に、SF関連エッセイ・作家論を集成。2011年SFセミナーでの講義を元にしたジーン・ウルフ論ではウルフの短篇”サー・ガブリエル”全訳を併せて収録。
著者紹介
若島正 (ワカシマタダシ)
1952年生まれ。京都大学大学院修了。京都大学大学院文学研究科教授。著書に『乱視読者の英米短篇講義』(研究社、第55回読売文学賞随筆・紀行賞受賞)、『乱視読者の帰還』(みすず書房、平成14年度本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)、訳書にナボコフ『ロリータ』(新潮社)、『透明な対象』(国書刊行会、共訳)、スタージョン『海を失った男』(晶文社、編訳)など。
目次
*乱視読者のSF短篇講義
前口上
第一回 H・G・ウェルズ「ザ・スター」
第二回 スタンリイ・G・ワインボウム「火星のオデッセイ」
第三回 H・P・ラヴクラフト「宇宙からの色」
第四回 レイ・ブラッドベリ「イラ」
第五回 ロバート・A・ハインライン「輪廻の蛇」
第六回 シオドア・スタージョン「海を失った男」
第七回 アルフレッド・ベスター「ピー・アイ・マン」
第八回 サミュエル・R・ディレイニー「コロナ」
第九回 アーシュラ・K・ル・グィン「オメラスから歩み去る人々」
第十回 トマス・M・ディッシュ「アジアの岸辺」
第十一回 フィリップ・K・ディック「にせもの」
最終回 スタニスワフ・レム「GOLEM XIV」
*乱視読者のSF夜ばなし
最大の幻視作家――H・G・ウェルズ
オールディスのウェルズ論から
オールディスとバンクスの“難解”小説
ウォマック降臨!――ジャック・ウォマック『ヒーザーン』
これは小説ではない――ジョン・スラデック『煙々たる歴史』
危険なヴィジョンの最後
魔法・魅惑・奇術――クリストファー・プリースト『奇術師』
哀しいロボット――バリントン・J・ベイリー『光のロボット』
オーストラリア便り、あるいは境界なき読書について
暑い夏の記憶――イアン・ワトスン『エンベディング』
瓦礫の中から一冊だけ救い出される本――エドガー・パングボーン『デイヴィー』
スタージョン短篇全集を讃える
現在を見つめる視線――『J・G・バラードの千年王国ユーザーズガイド』
もっともさもしい世界――R・A・ラファティ『地球礁』
ヴォネガットのSF嫌い
不完全な真空――スタニスワフ・レム『完全な真空』
*ジーン・ウルフなんてこわくない
「デス博士の島その他の物語」ノート
汲みつくされることがない大傑作――ジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』
『ケルベロス第五の首』を読む――柳下毅一郎さんとの対談
《新しい太陽の書》と読者
ナボコフ読みの目から眺めたウルフ
乱視読者の出張講義――ジーン・ウルフ篇
あとがき――とうに夜半をすぎて
索引