国書刊行会

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書籍詳細

ノリキヨブンユウセッキョウシュウ

CD 範淨文雄説教集

直林不退 解説
府越義博 構成

発売日
2011/04
判型
ISBN
978-4-336-05371-8
ページ数
-頁

定価 16,500円(本体価格15,000円)

内容紹介

 範淨文雄師は大正2年能登半島の真宗大谷派の寺に生まれ、長じて同志賀町の善法寺住職を継職、昭和40年まで節談説教者として活躍し、名人として全国にその名を馳せた。
  「今蓮如様」と呼ばれた師の説教には、立錐の余地もないほどの参詣者が集まり、その重みで本堂の床が踏み抜かれることがよくあったため、「御堂壊しの御坊様」の名を頂戴した。当時は交通の便も悪く、一度布教に出るとそのお寺から次のお寺へと移っていかねばならず、自坊に帰ってくるのは盆と正月そして報恩講くらい。だが自坊に居るわずかな時間にも、近くの海岸で声を張り上げ、喉から血の出るくらい節の稽古をしていた。
 54歳の若さで亡くなったが、門下に廣陵兼純師を出すなど現代の説教界に多大な影響を残した。師の説教は没後「二河白道」「大原問答」「大満の行」がテープ公刊されたのみで、他はすでに消失してしまったと思われていた。
 平成22年夏、所縁の2寺からほぼ同時に発見された音源は、オープンリールに収録されていたもので、能登半島大地震の被害を奇跡的に免れたものである。半分はすでに再生不能で、残っていたものも消滅寸前の状態であった。今回、復活再生できた音源から、録音状態のよいもの、未発表のものを精選した。

著者紹介

直林不退 (ナオバヤシフタイ)

1958年、群馬県桐生市に生まれ。
龍谷大学大学院博士課程単位取得、花園大学より博士(文学)を受く。龍谷大学・佛教大学の講師、浄土真宗本願寺派本願寺仏教音楽・儀礼研究所委託研究員、相愛大学人文学部仏教文化学科教授を経て、現在、滋賀県大津市淨宗寺住職、相愛大学客員教授、花園大学講師、節談説教研究会副会長。
専門は仏教史、真宗伝道史。
著書、『日本古代仏教制度史研究』、『大津浄土真宗寺院史』、『節談椿原流の説教者・野世渓真了和上芳躅』(いずれも永田文昌堂刊)、『名人木村徹量の継承者 神田唯憲の節談』(節談説教研究会)。

府越義博 (フゴシギハク)

1951年、岐阜県高山市に生まれ。
大谷大学真宗学科卒業。現在、東京都八王子市本淨寺開教院住職、節談説教研究会事務局長。
古書店で講談本「親鸞聖人御一代記」を入手したことから、面白くわかりやすい布教を模索し始め、情念の布教の復活をライフワークとしていた故武藤師の遺志を継いで、2007年7月、節談説教布教大会をプロデュース。築地本願寺に2,500名の聴衆を集めた。以後、節談研究会の事務局長として若き説教者教育と機関誌「節談説教」の編集に携わっている。
著書に、『現代文 説教の秘訣 増補版』『現代文 大笑小笑』(編訳、国書刊行会)などがある。

目次

第一巻
 第一席 凡夫そのまま来いよ
 第二席 浄土真宗にも木魚あり
 第三席 たとひ罪業は深重なりとも
第二巻
 第一席 五劫の思案は法蔵の片思い
 第二席 敬つて一切の往生人等にまうさく
第三巻
 第一席 願成坊の疑い
 第二席 勝手に堕ちるなら堕としてしまえ
第四巻
 第一席 月影の至らぬ里はなけれども
 第二席 南無の座 阿弥陀の座
第五巻
 第一席 韋堤希の目覚め
 第二席 その後の阿闍世
第六巻
 第一席 合掌の世界は広し喜ばし 花鳥風月説法の声
 第二席 まちかねて
 第三席 改悔批判

関連リンク

節談説教「昭和の大名人」のテープ 門前・満覚寺で見つかる