チュウゴクデントウコウリョウジテン
中国伝統香料事典
詳注『陳氏香譜』
奥田治 編訳
川瀬清/松永樹浩/庄司良文 訳
谷田伸治 訳補
発売日 2026/09/24
判型 B5判 ISBN 978-4-336-07901-5
ページ数 368 頁 Cコード 0576
定価 27,500円 (本体価格25,000円)

【内容紹介】
13世紀頃に陳敬によって編纂された、中国香文化に関する古典文献——『陳氏香譜』。宋代以前に著された洪芻・沈立ら十一家の香譜を集成・整理したもので、現在では失われた香文化に関する文献の内容を伝える貴重な資料として、後に中国最大の叢書『欽定四庫全書』にも収録された。
全四巻からなり、沈香・龍脳香・麝香などの香料をはじめ、その種類や由来、効能、香にまつわる逸話、香の調合法、香器、焚香の作法など、中国の香文化に関する多彩な知識を体系的に収録。なかでも、複数の香料を組み合わせる「合香」や「練香」の具体的な処方が豊富に記され、当時の実践的な香文化を今日に伝えている。
本書は、この『陳氏香譜』の詳注を軸に、中国古来の香料や調香法、香文化を事典形式で体系的に紹介するものである。『陳氏香譜』の日本語訳に、香料・人物・歴史的背景などについての詳しい解説と注釈を併載し、さらに原文の典拠や校異、関連文献を示すことで、一項目ごとに深く読み解ける構成とした。
また、陳敬編『新纂香譜』の印香図をはじめとする貴重な図版資料や、『陳氏香譜』の成立・内容・諸本についての詳しい解説を収録。中国香料の度量衡や原植物に関する論考なども付し、中国の香文化を多角的に読み解く。
香料・香薬・調合法から、その背景にある歴史や文化まで――香道・香文化の愛好家をはじめ、中国文学・中国史、生薬・漢方、天然香料、民俗・伝統文化の研究者・関係者まで広く薦めたい、中国香文化研究の原点にして必携の書。
【著者紹介】
奥田治 (オクダオサム)
1911年、鳥取県生まれ。薬学博士。1923年、東京薬学専門学校(現・東京薬科大学)卒業。1933年から1975年にかけて、高砂香料工業、大洋香料、エム・ティートレーディングに在勤。この間、食品衛生調査会、国立公衆衛生院講師、日本薬局方調査員、日本薬剤師会・東京都薬剤師会衛生科学調査委員、日本香料工業会委員などを歴任する。1976年より国内外の香料会社顧問や香料コンサルタントを務めた。1991年には中国国家科学技術委員会より栄誉証を受賞。2001年没。主な著書に『香料化学総覧Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』(廣川書店、1967~1979年)、『香料と化粧品の科学』(廣川書店、1982年)、『香りと文明』(講談社、1986年)などがある。
川瀬清 (カワセキヨシ)
1925年、東京生まれ。東京薬科大学名誉教授。1945年、東京薬学専門学校卒業。1945年、東京薬学専門学校副手(生薬学)。1947年、東京帝国大学医学部薬学科専科(生薬学)修了。1951年、東京薬科大学助手。1962年、東京薬科大学助教授。1975年、東京薬科大学教授(科学史、薬学概論)。1991年、東京薬科大学定年退職。この間、日本薬史学会設立および日本社会薬学会創設に参画。1971年、東京薬科大学に薬史学教室を開設。退職後1993年、東京漢方教育研究センター創設に参画(後に会長)。2021年没。主な著書に『薬学概論』改訂第4版増補(共編、南江堂、2005年)ほか。
松永樹浩 (マツナガキヒロ)
1948年、北京生まれ。薬剤師・医学博士。東京理科大学薬学部卒業、北京中医薬大学大学院修了。薬科大学ほかで中医学、中薬学、中医薬臨床応用学、中医心理学等の講座講師。主な訳書に『中医心理学:中国漢方心身医学』第2版(共訳、たにぐち書店、1997年)、その他多数の中医薬関係論文あり。
庄司良文 (ショウジヨシフミ)
1949年、横浜生まれ。薬剤師・鍼灸マッサージ師。東京薬科大学薬学部卒業、東洋鍼灸専門学校卒業。製薬会社勤務を経て、東京医薬看護専門学校講師。日本東洋医学会名誉会員。主な訳書に『現代語訳黄帝内経素問』(共訳、東洋学術出版社、1992年)、『現代語訳啓迪集』(共訳、思文閣出版、1995年)ほか。
谷田伸治 (タニタノブハル)
1949年、北海道函館市生まれ。鍼灸師。早稲田大学中央ユーラシア歴史文化研究所・招聘研究員。大正大学仏教学部仏教学科(梵文学専攻)卒業、早稲田鍼灸専門学校卒業。雑誌『東洋医学』(緑書房)編集員、手技療法の国際情報誌『マニピュレーション』(エンタプライズ社)編集長、米国医師会雑誌『JAMA日本版』(毎日新聞社)編集スタッフを経て、医療ジャーナリストとして中国医学情報を紹介。主な著訳書に『このツボが効く 先人に学ぶ75名穴』改訂第二版(森ノ宮医療学園アルテミシア、2024年)、賀普仁著『痛みの症状別針灸治療』(翻訳、静風社、2015年)『チベット伝統医学の薬材研究』(共編、藝華書院、2015年)ほか。