アイヌゲンダイノショウゾウ
アイヌ、現代の肖像
宇井眞紀子 文・写真
発売日 2026/08/26
判型 菊判変型 ISBN 978-4-336-07883-4
ページ数 288 頁 Cコード 0039
定価 3,960円 (本体価格3,600円)

【内容紹介】
現代を力強く生きるアイヌの日常に寄り添い、ともに歩んできた写真家・宇井眞紀子。30年以上にわたる取材と交流のなかで出会った人々との記憶を、美しい写真とともに綴る、珠玉のフォトエッセイ。
長い歳月のなかで育まれた信頼と確かな距離感のもと撮影された写真には、祭礼や工芸、音楽や舞踊、言語の継承に携わる担い手をはじめ、伝統を礎としながら新たな表現に挑むアーティスト、先住民族としての権利を求めて声を上げる市民、未来を見据えながら自らのアイデンティティと向き合う若い世代など、多彩なアイヌの姿が収められ、その息遣いまでも繊細に映し出しています。
エッセイでは、1992年に北海道・二風谷を初めて訪れて以来の数々の出会いが、魅力的なエピソードとともに語られます。写真家自身が抱いていた先入観が揺らぎ、少しずつ変化していく過程も率直に記され、アイヌと写真家が紡いだ時間の積層が、一つの物語として立ち上がります。
現代アイヌ文化を知るための格好の入門書であると同時に、文化とは何か、継承とは何か、アイデンティティとは何かといった普遍的な問いを投げかけ、多くの発見と示唆を与えてくれる一冊です。
❖「はじめに」より抜粋
本書は、そうしたアイヌの「現代の肖像」の一端をお伝えしたいと考え、編んだものです。とはいえ、私自身、「アイヌ」という言葉でひとくくりに語ることには、今なおためらいがあります。私がアイヌに深く惹かれていく契機となった、二風谷でのアシリレラさんとの出会いから数えて三〇年余。長年の交流と撮影のなかで出会ってきた方々は、それぞれに固有の人生を生きており、一様に語りうる存在ではないからです。本書は、アイヌという大きな存在に向き合った一写真家による、個人的な体験や思いを交えながらのささやかな記録にすぎませんが、それらの断片が読者のなかで新たな像を結び、アイヌの現在をめぐる思索のきっかけとなるならば、これに勝る喜びはありません。
ブックデザイン=小川順子
【著者紹介】
宇井眞紀子 (ウイマキコ)
写真家、武蔵野美術大学非常勤講師、公益社団法人日本写真家協会会員。
1960年、千葉県生まれ。83年、武蔵野美術大学卒業。85年、日本写真芸術専門学校卒業。学生時代から写真家・樋口健二氏に師事。卒業と同時に雑誌を中心にフリーランスで活動を始める。92年、子連れでアイヌ民族の取材を始める。ロンドンのナショナルジオグラフィックストアなど、国内外で数多くの個展を開催。第4回さがみはら写真新人奨励賞受賞。
第28回東川賞特別作家賞受賞。第28回笹本恒子写真賞受賞。