怪奇の本棚

ツウクノセイボ

痛苦の聖母

ジョン・ブラックバーン 著
永島憲江 訳
中島晶也 解説

発売日 2026/05/22

判型 四六変型判   ISBN 978-4-336-07836-0

ページ数 272 頁   Cコード 0097

定価 3,740円 (本体価格3,400円)

シリーズ: 怪奇の本棚 (カイキノホンダナ)
幽霊屋敷の怪異、猿の手、不死者の恋、禁忌の木立、妖術師の島、「血の伯爵夫人」伝説――ゴースト・ストーリー黄金時代からモダンホラー前夜まで、怪奇と恐怖の名匠たちの傑作を精選。斯界練達の訳者を揃えて贈る、恐怖の愉しみを満喫させる怪奇小説ファン待望の本格的コレクション。本邦初訳多数。【全6巻】

【内容紹介】

若さと美貌を保つために多くの若い女性を惨殺して、その血で湯浴みしたという、17世紀ハンガリーの「血の伯爵夫人」エリザベート・バートリの伝説に取材した新作舞台『痛苦の聖母』が、ロンドンでまもなく初日を迎えようとしていたが、主演のスーザン・ヴァランスは大女優ながら傲岸不遜な性格で悪評があった。
新聞記者ハリー・クレイは、暗い過去をもつ医師ポール・トレントンが彼女の元に出入りするのを目撃し、その後を追うが見失ってしまう。
後日、ある場所で途方もなくおぞましい何かを見たという窃盗犯の話を偶然耳にしたハリーが調査を始めると、背後にトレントン医師の存在が浮上する。しかし秘密を知る関係者は次々に怪死をとげ、ハリー自身も悪夢のような事件に巻き込まれていく。

古い伝説に端を発する超自然的恐怖にミステリ要素を組み合わせ、1960-70年代に人気を博した英国モダンホラーの先駆者ジョン・ブラックバーンの最高傑作!

【著者紹介】

ジョン・ブラックバーン (ジョン・ブラックバーン)

イギリスの作家。1923年、ノーサンバーランド州コーブリッジ村で牧師の家に生まれる。大学を卒業後、教職を経て1952年にロンドンの古書店レッド・ライオン・ブックスの経営を引き継ぐ。古書店の仕事の傍ら執筆を始め、1958年、第一作『刈りたての干草の香り』(論創社)を発表。1960~70年代、冷戦下の世界情勢を背景に、怪奇な伝説や超自然的恐怖にSF、サスペンス、スパイ小説などの要素を組み合わせた作品で人気を博した。近年、モダンホラーの先駆的作家として再評価されている。1993年死去。その他の邦訳に『薔薇の環』『リマから来た男』『小人たちがこわいので』(以上、創元推理文庫)『壊れた偶像』『闇に葬れ』(以上、論創社)がある。

永島憲江 (ナガシマノリエ)

1977年生まれ。国際基督教大学にて学士号・修士号取得後、英レディング大学大学院にて修士号取得、白百合女子大学大学院にて博士号取得。白百合女子大学児童文化研究センター研究員。訳書にE・H・シェパード『思い出のスケッチブック』『青春のスケッチブック』(国書刊行会)、ギャリー・ジェンキンス『ずっとのおうちを探して』(国書刊行会)、T・キングフィッシャー『死者を動かすもの』(創元推理文庫)。共訳にE・ネズビット『アーデン城の宝物』『ディッキーの幸運』(東京創元社)、ダニエル・ハーン編『新版 オックスフォード世界児童文学百科』(原書房)がある。

中島晶也 (ナカジマアキヤ)

1965年大阪府生まれ。怪奇幻想文学研究家。各種雑誌・ムック類にホラー系書籍の書評や、怪異表現技法の変遷に主眼を置いた史的研究を寄稿しているほか、文庫巻末解説等を手掛けている。