アラビアノロレンス

アラビアのロレンス

T・E・ロレンスを探し求めて  

ラヌルフ・ファインズ 著
小林政子 訳

発売日 2025/07/17

判型 四六判   ISBN 978-4-336-07761-5

ページ数 328 頁   Cコード 0023

定価 3,960円 (本体価格3,600円)

【内容紹介】

冒険の道筋をよく心得て、未知の世界へ踏み込む決意をもって中東に活躍した謎の多い冒険者──綿密に記録を辿り、〈アラビアのロレンス〉として世界を魅了した男の真実に迫る。

T・E・ロレンスが〈アラビアのロレンス〉になるまでの道のりは長く伝説となっている。考古学者、地図班員、連絡将校としての第一歩から、炎熱下にアラブ叛乱軍と1000キロもの長旅の末にアカバ占領を果たしてから、中東の将来を決めた講和会議への参加まで、この土地と人々のために人生のすべてを捧げたロレンス。少年時代は疎外感を感じていた彼は、アラビアで居場所を見つけたのである。
ロレンスの壮大な物語は、途切れることなく語り継がれてきた。だが、著者ラヌルフ・ファインズはふつうの伝記作家ではない。ロレンスから50年後に、ファインズもまたアラビア半島でアラブ人を率いて戦い、遠く離れた土地とそこに住む人々に驚異を感じた、どこまでも大胆で冒険に満ちたロレンスの生き様を真に理解できると断言できる数少ない人物である。

綿密に記録を辿り、ロレンス同様冒険への道筋を心得て、未知の世界へ踏み込む決意をもって、著者は〈アラビアのロレンス〉として世界を魅了した謎の多い冒険者の真実に迫る。
*貴重な画像を口絵として16ページ収録。

「優れた伝記作家である著者は「無疵の人間はいない。偉大になるほどの人物はなおさらである」と書いている。ロレンスが仕えた大英帝国はすでになく、彼がその誕生に重要な役割を果たしたアラブ諸国は混乱の渦中にあるが、彼は帝国時代以降もイギリス人の心を摑んで離さない。著者は、有名になりたくなかったヒーローに共感を覚えつつ、その生涯を丁寧に描いている」 (ウォールストリート・ジャーナル紙)

「歯切れのよいきびきびした筆致と、異彩を放つ大勢の登場人物たち。 紅海沿岸のアカバ港攻略のため、鉄道線路や列車を破壊しながらアラビア半島の1000キロ近くを馬で疾駆するロレンス一行の姿を追う。この素晴らしい冒険物語を改めてみごとに再現している」(デーリー・メール紙)

【著者紹介】

ラヌルフ・ファインズ

ギネスブックに「存命中の世界で最も偉大な探検家」に認定され、生涯を通じて究極の冒険を求めた冒険家。イギリス陸軍在籍中の1960年代にはオマーン国軍に派遣され、ドファールの叛乱での功績により勇敢勲章授与。
『Mad Dogs and Englishman』、『Mad, Bad and Dangerous to Know』、『Captain Scott』、『極地探検家 シャクルトンの生涯』(国書刊行会、2024年) などのベストセラー著者でもある。

小林政子 (コバヤシマサコ)

明治学院大学英文学科を中退し外務省入省。リスボン大学留学。1988年に外務省を早期退職して翻訳を志す。
〈主な訳書〉
『私の見た日本人』(パール・バック著、2013年)、『壊血病』(2014年)、『最後のヴァイキング』(2017年)(共にスティーブン・R・バウン著)、『現代の死に方』(シェイマス・オウマハニー著、2018年)、『2084年報告書』(ジェームズ・ローレンス・パウエル著、2022年)、『極地探検家 シャクルトンの生涯』(ラヌルフ・ファインズ著、2024年)など(以上 国書刊行会)。『ギリシャ人ピュテアスの大航海』(バリー・カンリフ著、2023年 青土社)。