ドーキングノタタカイ
ドーキングの戦い
ある英国篤志隊員の回想録
ジョージ・チェスニー 著
深町悟 訳
発売日 2025/03/19
判型 四六判 ISBN 978-4-336-07506-2
ページ数 200 頁 Cコード 0097
定価 2,640円 (本体価格2,400円)
【内容紹介】
『宇宙戦争』(H.G.ウェルズ)を生んだ、元祖・架空戦記、待望の翻訳!
1870年代、急速に勢力を拡大するプロイセンに危機感を抱いた英国軍人ジョージ・チェスニーは、国家改革の必要性を訴え『ドーキングの戦い』を発表。架空のシナリオで戦争のリアリズムを描き、政府の無策と防衛体制不備を鋭く告発した本作は、当時の英国社会に大きな衝撃を与えた。さらに、この作品は後のスパイ小説やH.G.ウェルズ『宇宙戦争』などのSF小説に影響を与え、「架空戦記」や「侵攻小説」の先駆けとなった。文学史上の重要な作品として、またミリタリーファンからライトノベル読者まで広く楽しめる、必読の一冊!
【ストーリー】
「あの悲劇は容易に避けられたはずだった。
ああ、すべてが遅すぎたのだ!」
ヨーロッパで勢力を拡大する隣国の大軍が、ついに英国本土へ侵攻。
英国軍は兵士をかき集め決死の抵抗を試みるも、敵軍の猛攻に崩壊していく。
静かな田園地帯ドーキングは、祖国の命運を賭けた決戦の地と化した——
50年後、生き残った兵士が孫たちに語る、祖国崩壊の回想録。
未来を託す者たちに伝えたい「敗戦の真実」とは?
【著者紹介】
ジョージ・チェスニー (ジョージ・チェスニー)
1830年にイングランドのデヴォン州ティバートンで生まれる。軍人家系に育ち、東インド会社軍事神学校を卒業後、ベンガル工兵隊に入隊。インドでは公共事業の発展や土木工学大学の設立に尽力するなど、指導的な役割を果たした。軍の効率化に関する論文や本も執筆し、1871年に小説『ドーキングの戦い』を発表。その後もイギリス軍の近代化を訴え続け、後の軍事戦略や防衛政策に大きな影響を与えた。晩年は政治家としても活動し、1895年に65歳で没した。最終階級は陸軍大将。
深町悟 (フカマチサトル)
1980年福岡市生まれ。神戸大学国際文化学研究科専任講師。二十世紀転換期の侵攻小説などを研究。著書に『「侵攻小説」というプロパガンダ装置の誕生』(渓水社)、訳書にサキ『ウィリアムが来た時 ホーエンツォレルン家に支配されたロンドンの物語』、P・G・ウッドハウス『スウープ!』(いずれも国書刊行会)。