ハナバナノコトバ

花々の言葉

世界ではじめての花言葉辞典  

シャルロット・ド・ラトゥール夫人 著
三宅京子 訳

発売日 2025/10/23

判型 B6変型判   ISBN 978-4-336-07418-8

ページ数 368 頁   Cコード 0098

定価 3,300円 (本体価格3,000円)

【内容紹介】

清新な物語とともに〈花言葉〉は萌え出した――
文学・歴史・博物学からひもとく花々のメッセージ。

季節ごとに花言葉とその由来を語る、
19世紀フランスの爆発的ベストセラー本邦初訳。

 ◇ ◇ ◇

1819年12月、パリのオード社より刊行された『花々の言葉』は瞬く間に評判となった。

語り手である「わたし」のエピソードを交えつつ、季節ごとの花言葉とその由来、博物学、神話、文学、植物学の知識が優美な筆致で語られる。巻末に付された「花言葉辞典」により、メッセージや詩句をあらわすための花植物を逆引きできる。15枚の繊細な植物画が、書物を可憐にいろどっている。19世紀フランスにおける花言葉ブームの最大の人気作品として版を重ね、ヨーロッパ諸国やアメリカに広く翻訳出版された。

ベストセラーでありながら、著者であるシャルロット・ド・ラトゥール夫人の正体は長年知られることがなかった。日本語版「訳者解説」では、花言葉流行当時のフランスの歴史文化状況に触れるとともに、『花々の言葉』成立にかかわる忘却されたひとびとの生涯を2世紀越しに露わにする。

 ◇ ◇ ◇

原書より再録した美麗な植物画の口絵付。
花名索引・人名索引を完備。

[本文より抜粋]
わたしが植物学者に願うのは、植物について書くとき、人文学的な発想と植物とを結びつけてほしいということだ。そうすれば、どの国民にも理解され、世界が続くかぎり生き続ける知識を集めた、一種の普遍的な事典が出来上がるだろう。〔…〕エジプトのピラミッドはいつの日か消え去り、スフィンクスのように砂漠の砂に埋もれてしまうかもしれない。一方、スイレンとアカンサスは、ナイル川のほとりでいつまでも咲き続けるだろう。

Le langage des fleurs par Mme Charlotte de Latour (1833 [1819])

装丁:アルビレオ

【著者紹介】

シャルロット・ド・ラトゥール夫人 (シャルロット・ド・ラトゥール夫人)

(Mme Charlotte de Latour)1819 年に刊行され、フランスにおける花言葉ならびに花言葉本ブームの最大の人気作品となった『花々の言葉』(Le langage des fleurs)の著者。本書はヨーロッパ諸国やアメリカに広く翻訳出版され、版を重ねながら19 世紀後半にまでわたるロングセラーとなり、今日では世界ではじめての花言葉の書と評価される。著者の正体は長年知られることがなかったが、現在では男性作家ルイ・エメ゠マルタン(Louis Aimé-Martin, 1782‒1847)であったと言われる。

三宅京子 (ミヤケキョウコ)

東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。専攻は20世紀フランス文学。現在、早稲田大学ほか講師。主な訳書に、オギュスタン・ベルク『風土としての地球』(筑摩書房)、ロジェ・ディオン『フランスワイン文化史全書』(共訳、国書刊行会)、ベルナール゠アンリ・レヴィ『サルトルの世紀』(共訳、藤原書店、第41回日本翻訳出版文化賞)、小山ブリジット『夢見た日本 エドモン・ド・ゴンクールと林忠正』(共訳、平凡社)、ジャン゠マリー・ペルーズ・ド・モンクロ『芸術の都 パリ大図鑑』(共訳、西村書店)など。