宗教信仰復興叢書 1

シュウキョウシンコウフッコウトゲンダイシャカイ

宗教信仰復興と現代社会

島薗進 編

発売日 2022/07/20

判型 四六判   ISBN 978-4-336-07210-8

ページ数 360 頁   Cコード 0314

定価 3,300円 (本体価格3,000円)

シリーズ: 宗教信仰復興叢書 (シュウキョウシンコウフッコウソウショ)
宗教信仰復古、スピリチュアリティ、宗教的暴力、仏教の救済思想、イスラームのこころと日本、新たな形の共同体――宗教信仰の復興という共通の問題意識から、現代における宗教と信仰の持つ意義を考察する画期的叢書!【全7巻】

【内容紹介】

宗教を過去のものとし、世俗的合理性こそが善き文化の基盤だと信じてきた近代の限界が露わになり、新たに超越性や規範性の基盤が求められる時代に入っている。「ポスト世俗主義」が唱えられ、「世俗化論」は誤っていたと言われて久しい。
1970年前後には変革運動は宗教色をもたないものがほとんどだったが、1978のイラン革命以後、世界各地で変革運動で宗教勢力が大きな役割を果たすようになった。先進国では科学的知性による世界の制御を通して幸福が増進するという信念が長くエリート層を牽引してきたが、知性への過剰な信頼が環境破壊をもたらし、精神的な荒廃と空虚さをもたらしたという認識が深まってきた。
だが、「神が死んだ」という認識はますます広がっているようにも見える。科学的合理性を重んじる学校教育の普及はますます進展し、宗教行事にともに加わる機会が減って来ている地域が多い。こうした状況のなかで、なお宗教や信仰にどのような場所があるのか。宗教復興と見える現象や精神文化や思想動向は、どこまで確かな基盤をもっているのか。
この巻では、この問題を日本の宗教文化史の展開に焦点を合わせながら、世界の諸地域の状況も参照しながら考察していく。
充実の執筆陣による論集と座談会を収録する、画期的叢書第一巻。

【著者紹介】

島薗進 (シマゾノススム)

1948年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。上智大学神学部特任教授。東京大学名誉教授。著書『宗教・いのち・国家』(平凡社)ほか多数。