ドゴウノヒビ

怒号の日々

リンドバーグとルーズベルトの闘い 大戦前夜1939-1941  

リン・オルスン 著
河内隆弥 訳

発売日 2021/09/09

判型 A5判   ISBN 978-4-336-07059-3

ページ数 624 頁   Cコード 0022

定価 4,950円 (本体価格4,500円)

【内容紹介】

真珠湾前夜、そのときもアメリカは分断されていた!
第二次大戦におけるアメリカ参戦をめぐる大論争――国を真っ二つに割り、最終的に自由世界の運命を決めることとなったこの論議の中央には、当時アメリカでもっとも有名だった二人の人物が立っている。介入主義の大義を奉ずるフランクリン・D・ルーズベルト大統領と、その最大の敵として現れる孤立主義者の非公式リーダーにしてスポークスマン、飛行家のチャールズ・リンドバーグである。ワシントンでは、空軍参謀長を含む高級将官たちがルーズベルトの親英政策を妨害する一方、ルーズベルトはリンドバーグなどの介入主義反対者の盗聴をFBIに許していた。同時に、大統領の承認のもと、イギリスの秘密工作員が反戦グループをスパイし、議会の孤立主義者の汚点を暴き、アメリカの新聞にプロパガンダを植えつけていた。ドイツがヨーロッパの大半を制覇したあと、アメリカは伝統的な孤立主義と、単独でヒトラーと戦うイギリスへの早急な援助要請の狭間で分裂していた。介入をめぐる戦いは、ルーズベルトが言うとおりペテンと陰謀に満ちた「汚辱の争い」だった。本書は1939年から1941年にわたり、真珠湾攻撃へと導かれる時期の合衆国内のその憎しみ合いを生き生きと再現、その「殴り合い」の細部を描き、民主主義の未来とアメリカの世界における役割が共に不安定であった時代を鮮やかに想起させる。

「この心動かされる本で著者は、第二次世界大戦の政治、外交についての現代最高水準の記録者である地位を固めた。本書は当時アメリカを二分した、ヒトラーを阻むべきなのか、いかにして阻むのかの論争について驚くべき物語を語ってくれた。興味深いエピソードと鋭い切り口で、今日でも悩ませる道義的かつ現実的な設問を提示する。この本は歴史を学ぶものと一般の読者双方の必読書である」。
                              マデレーン・K・オルブライト、元合衆国国務長官

【著者紹介】

リン・オルスン

アメリカのニューヨーク・タイムズ・ベストセラー作家、
歴史家、ジャーナリスト。
1949年ハワイ生まれ、1969年アリゾナ大学卒業。
作家活動以前、AP 通信にてニューヨーク、モスクワ、ワシ
ントン勤務。その後ボルティモア・サンにて、国政、ホワ
イトハウスなどを担当。
現在、共著のある夫、著作家のスタンリー・クラウドとワ
シントンに居住。
オルスンの著書の多くは、第二次大戦の真実とイギリスと
の決定的役割に迫るもので、元国務長官のマドレーン・オ
ルブライトは彼女のことを「第二次大戦時の政治、外交に
関する第一級の記録者」と呼んでいる。

河内隆弥 (こうちたかや)

現代史翻訳。1935年上海生まれ、小罇商大卒、旧東京銀行海外支店長歴任。
訳書に、パトリック・ブキャナン『超大国の自殺』(幻冬舎、2012年)、同『不必要だった二つの大戦』(国書刊行会、2013年)、イアン・カーショー『運命の選択 1940-41(上)(下)』(白水社、2014年)、ジョナサン・フェンビー『奇妙な同盟(Ⅰ)(Ⅱ)』(藤原書店、2018年)、A・ J・ ベイム『まさかの大統領』(国書刊行会、2018年)。