キャメラヲダイテハシレ!

キャメラを抱いて走れ!

撮影監督 仙元誠三  

仙元誠三/山本俊輔/佐藤洋笑 著

発売日 2022/06/22

判型 A5判   ISBN 978-4-336-07033-3

ページ数 464 頁   Cコード 0074

定価 4,620円 (本体価格4,200円)

【内容紹介】

松田優作主演『最も危険な遊戯』に始まる東映セントラルアクション
角川映画の名作『Wの悲劇』『セーラー服と機関銃』
劇場版『あぶない刑事』シリーズ――
数々の伝説の現場に立ち会った名キャメラマン仙元誠三が縦横無尽に語る回想録がついに登場!
*特別収録 助手たちは語る(柳島克己 佐光朗 細井淳一 葛西誉仁 的場光生)
仙元組歴代撮影助手が語る仙元誠三のすべて

かすかに、ゆるやかに対象に迫っていくデッドスローとも呼ばれる移動撮影。一転して激しいブレもリフレクション(反射)も厭わず全力疾走で被写体を追跡する極限の長回し。そして、都会の闇を体現するような鮮烈な「青」の画調――それが仙元誠三撮影の映画だ。1969年『新宿泥棒日記』でデビュー後、70年代『最も危険な遊戯』に始まる東映セントラルアクションとテレビドラマ『大都会』シリーズで大暴れし、80年代『セーラー服と機関銃』『Wの悲劇』などの角川映画の名作を数多く手がけ、2000年代『さらば あぶない刑事』で有終の美を飾った。松田優作、薬師丸ひろ子、仲村トオルといった個性の強いスターたちに慕われ、大島渚、村川透、工藤栄一、澤井信一郎、きうちかずひろといった名監督たちに重用され、稀代の風雲児・角川春樹と渡り合う……キャメラを抱いて日本映画史を駆け抜けた〈野獣のようなキャメラマン〉仙元誠三が縦横無尽に語る回想録がついに登場。

*刊行記念特集上映〈キャメラを抱いて走れ! 撮影監督 仙元誠三〉シネマヴェーラ渋谷にて開催! 2022年8月20日~9月9日

【著者紹介】

仙元誠三 (センゲンセイゾウ)

1938年京都市生まれ。58年松竹京都撮影所に入社、撮影助手として宮島義勇・成島東一郎に師事する。退社後の69年、『新宿泥棒日記』(大島渚監督)でデビュー。『キャロル』(龍村仁監督、74年)『キタキツネ物語』(蔵原惟繕監督、78年)などのドキュメンタリーから、石原プロ制作のテレビ映画『大都会』シリーズまでジャンルを超えて活躍、中でも村川透監督・松田優作主演『最も危険な遊戯』(78年)に始まる〈遊戯〉シリーズでは、独特の長回し撮影やブルーの強い色調(仙元ブルー)の画面を確立する。80年代には『セーラー服と機関銃』(相米慎二監督、81年)『Wの悲劇』(澤井信一郎監督、84年)などの角川映画の名作を数多く手がける。『あぶない刑事』映画版シリーズ撮影でも知られ『さらば あぶない刑事』(村川透監督、2016年)は撮影担当最終作となった。2014年文化庁映画賞の映画功労部門を受賞。2020年急逝。享年81。

山本俊輔 (ヤマモトシュンスケ)

1975年東京生まれ。映画監督・作家。『カクトウ便/そして、世界の終わり』(2007年)で劇場公開映画デビュー。主な作品に『木更津グラフィティ』(脚本)、『愛に渇く -thirst for love-』(監督)『デス・ゲーム・パーク』(小説)などがある。著作に『NTV火曜9時 アクションドラマの世界』『映画監督 村川透 和製ハードボイルドを作った男』『映画秘宝COLLECTION セントラル・アーツ読本』(いずれも佐藤洋笑と共著)がある。

佐藤洋笑 (サトウヒロエ)

1974年神奈川県生まれ。ライター・編集者。音楽雑誌「ロック画報」編集部を経て、フリーランス活動を開始、映画ZINE「映画時代」創刊に参加。「映画秘宝」「ミュージックマガジン」「東映キネマ旬報」などで執筆する。著作に『NTV火曜9時 アクションドラマの世界』『映画監督 村川透 和製ハードボイルドを作った男』『映画秘宝COLLECTION セントラル・アーツ読本』(いずれも山本俊輔と共著)がある。