シュウキョウノキゲン

宗教の起源

ジュリアン・リース 著
江川純一 監修
小藤朋保/溝口大助 訳

発売日 2025/12

判型 AB判   ISBN 978-4-336-06671-8

ページ数 248 頁   Cコード 0014

定価 6,160円 (本体価格5,600円)

【内容紹介】

ホモ・サピエンスに至る先史時代の宗教的感覚から、
インド、メソポタミア、エジプト、中国の古代世界、ゾロアスター教、一神教の成立まで——
人類にとって宗教とは何か、その誕生の秘密に迫るビジュアル版宗教誕生史。

人類史に刻まれた儀礼や神話、象徴、葬送、藝術、呪術、聖所、信仰といった、人間の〈聖なるもの〉とのかかわりを多角的に考察。さらに、古代インド、シュメール・バビロニア、古代エジプト、中国、ゾロアスター教、一神教の成立までを視野に入れ、人類史を通した一貫した見解を提示する。

さらに、洞窟壁画や埋葬跡、神殿、神々の像など、約400点におよぶ美麗なカラー図版を収録しており、視覚的にも人類の信仰の歩みをたしかめることができる。「エリアーデ宗教学の応用」としての価値も高く、宗教学・人類学・考古学の研究者のみならず、宗教文化に関心を持つ一般読者にも楽しめる一冊。

【著者紹介】

ジュリアン・リース (ジュリアン・リース)

ジュリアン・リース(Julien Ries, 1920-2013)。ベルギー出身の宗教史家、ローマ・カトリック教会の枢機卿。先史時代を対象とした宗教人類学を専門としていた。ルーヴェン・カトリック大学で文献学とオリエント史を学び、1960年から同大学の教壇に立つ。1968年に同大学がオランダ語話者のための大学とフランス語話者のための大学に分割されたのちは、フランス語話者のための「ルーヴァン・カトリック大学」で指導にあたり、大学内に宗教史研究所を設立した。

江川純一 (エガワジュンイチ)

1974年福井県生まれ。2008年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。明治学院大学国際学部付属研究所研究員、桐朋学園大学非常勤講師。著書に『イタリア宗教史学の誕生――ペッタッツォーニの宗教思想とその歴史的背景』(勁草書房)、翻訳書にマルセル・モース『贈与論』(共訳、ちくま学芸文庫)。

小藤朋保 (コフジトモヤス)

1988年埼玉県生まれ。2018年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。

溝口大助 (ミゾグチダイスケ)

東京都立大学大学院社会科学研究科社会人類学専攻博士課程単位取得満期退学。東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター特任研究員。専門は、西アフリカ民族誌、社会人類学。著書に、『夢と未来をめぐる経験―マリ共和国南部セヌフォ社会における夢と他者』(総合地球環境学研究所、2017年)、「沸騰、贖罪、死 : デュルケム学派宗教社会学における「聖なるもの」」(『ニュクス』第5号、堀之内出版、pp.110-135、2018年)、「一八九九年のモース―起点としての「供犠論」と「社会主義的行動」」(『マルセル・モースの世界』、モース研究会編、平凡社新書、2011年)、邦訳書に、『ベラン 世界地理体系〈9〉 西部・中部アフリカ』(朝倉書店、2017年、共訳)など。