イヤイヤナガラルパンヲウミダシタサッカ

いやいやながらルパンを生み出した作家

モーリス・ルブラン伝  

ジャック・ドゥルワール 著
小林佐江子 訳

発売日 2019/09/25

判型 四六判   ISBN 978-4-336-06383-0

ページ数 420 頁   Cコード 0098

定価 3,960円 (本体価格3,600円)

【内容紹介】

 世界中で絶大な人気を誇りつづける≪怪盗紳士アルセーヌ・ルパン≫の生みの親、モーリス・ルブランの初の伝記。ルパン研究の第一人者がついに成し遂げた、ミステリ・ファン待望の決定版。


アルセーヌ・ルパンについては、あたらめて説明する要のないほどその名が全世界にとどろいている。だが、その生みの親であった作家モーリス・ルブランの方は、なぜか、いまだに≪知られざる有名人≫のままである。
フランスの地方都市ルーアンに生まれ、モーパッサンやフロベールの衣鉢を継ぐレアリスムの小説家としてそのキャリアをスタートさせたものの、妹である大女優ジョルジェットの蔭で単なる売れない一作家だったルブランは、40歳を越えたときに、ふとしたきっかけから怪盗ルパンを生み出す。ルパンは瞬く間に華々しい人気を得て、作者のルブランは花やかな名声と富を手中にするのだが……
「つらいんだ。ルパンの奴はどこへでも憑き纏ってくる。ルパンが私の影ではなく、私のほうがルパンの影なのだ」
 江戸川乱歩や横溝正史をはじめとした数多くの作家たちに大きな影響を与え、現代のアニメ『ルパン三世』にいたるまで、日本でも絶大な人気を誇る≪怪盗紳士アルセーヌ・ルパン≫の生みの親、モーリス・ルブランの初の決定版伝記。

【著者紹介】

ジャック・ドゥルワール (ジャックドゥルワール)

1950年生まれ。アルセーヌ=ルパンとその著者モーリス・ルブランの代表的な研究者。一九八九年、セギエ社より『いやいやながらアルセーヌ・ルパンを生み出した作家——モーリス・ルブラン』を発表。その後、『アルセーヌ・ルパン辞典』(アンクラージュ社、二〇〇一年)、『ルパンの世界』(アンクラージュ社、二〇〇三年)を世に送り出し、二〇一〇年には『モーリス・ルブランの足跡——アルセーヌ・ルパンとの文学散歩』(OREP社)を上梓。オムニビュス社のルパン全集や、『ある女』『死の所産』(ファレーズ社)等の、ルブランが「ルパンの父」になる以前の作品のためにも、前書きを執筆している。他方、コー地方の城館やノルマンディーの建築についての研究も発表。コレージュ・ド・パタフィジックの正教授も務めている。

小林佐江子 (コバヤシサエコ)

中央大学准教授