アイノニホンシ

愛の日本史

創世神話から現代の寓話まで  

アニエス・ジアール 著
谷川渥 訳

発売日 2018/06/19

判型 菊判   ISBN 978-4-336-06270-3

ページ数 496 頁   Cコード 0021

定価 5,060円 (本体価格4,600円)

【内容紹介】

●フランス人日本研究家の第一人者が、古代から現代にわたる歴史・伝説・文学を縦横自在に渉猟し、日本における「愛」を探る。フランス本国で大きな話題を呼んだ斬新な日本文化論の待望の邦訳。

●古事記から三島由紀夫までを博引旁証し、従来見られなかったユニークな切り口で日本人の恋愛の心像風景を歴史的・文化的に跡付ける。日本に「愛」は存在するのか? 西洋では普遍的概念であるはずの「愛」は、日本ではどんなかたちで可能なのか? それはどう表現されてきたのか? 日本における愛の感情や起源に西洋人として迫り、多方面から鋭利に分析。バルトの『記号の帝国』に比肩する、卓絶した日本文化誌。

【著者紹介】

アニエス・ジアール (アニエスジアール)

アニエス・ジアール(1969年--)フランスの著述家、ジャーナリスト、文化人類学者。哲学者の父、文学専門家である母のもと、ブルターニュで生まれ、アフリカで育つ。  
10代の頃からすでに、日本のアニメや三島由紀夫、川端康成などに心酔していたという。17歳でパリに戻り、リセおよび高等教育機関を卒業。90年代からジャーナリストとして若者向け雑誌『NOVA』や『Technikart』などで活躍。また、日本アニメの紹介者として『ドラゴンボール』や『キャプテンハーロック』などのビデオ解説を手がけていたため、フランスでは日本のアニメに最も詳しい専門家の一人として名高い。
アニメをはじめ、日本のサブカルチャー全般にも造詣が深い。『エロティック・ジャポン』の出版により、2010年にはフランス政府から日本研究のエキスパートして認められ、京都のヴィラ九条山のレジデントとして選出される。日本滞在中は日本のや恋愛文化などを対象に研究活動を行っている。
既訳の著作に、『エロティック・ジャポン』(二〇一〇年、河出書房新社)ほか。

谷川渥 (タニガワアツシ)

谷川 渥(たにがわ・あつし)
美学者。東京大学大学院博士課程修了。文学博士。主な著書に『形象と時間』、『美学の逆説』、『鏡と皮膚』、『新編 表象の迷宮』、『見ることの逸楽』、『文学の皮膚』、『幻想の地誌学』、『図説・だまし絵』、『イコノクリティック』、『廃墟の美学』、『美のバロキスム──芸術学講義』、『シュルレアリスムのアメリカ』、『肉体の迷宮』、『新編 芸術をめぐる言葉』、『書物のエロティックス』、『幻想の花園』、『芸術表層論──批評という物語』など。主な訳書にピエール=マクシム・シュール『想像力と驚異』、エルンスト・ゴンブリッチ『棒馬考』(共訳)、ユルギス・バルトルシャイティス『鏡』、クリスティーヌ・ビュシ=グリュックスマン『見ることの狂気』、アンドレ・ブルトン『魔術的芸術』(共訳)、エリー・フォール『美術史4 近代美術(Ⅰ)』(共訳)など。