ドンキホーテジンセイノメイゲンシュウ

ドン・キホーテ――人生の名言集

佐竹謙一/誉田百合絵 編訳

発売日 2016/12/20

判型 四六判   ISBN 978-4-336-06050-1

ページ数 314 頁   Cコード 0098

定価 2,200円 (本体価格2,000円)

【内容紹介】

ドン・キホーテ、サンチョ・パンサ主従の遍歴の旅を描き、世界中で聖書に次いで多く読まれている傑作のひとつ『ドン・キホーテ』。「滑稽でおもしろい」「有益で楽しめる」をモットーにこの小説を書いた作者セルバンテスが登場人物に語らせたことばの数々、心のこもったメッセージは、きっとあなたの人生に豊かで奥深いいろどりを与えてくれるはず。「人生」「幸せ」「逆境」「嫉妬」「美徳」「分別」「仕事」「結婚」「罪」「迷信」「美」「言葉」「教訓」などをテーマに、『ドン・キホーテ』から230の名言をセレクト。

「この世では日々新たな出来事が起こっております。嘘が誠になったり、人を騙していた者が逆に騙される側へまわったりすることもあるのでございますよ。」
「思えば、人生の中で起こるさまざまなことがいつまでも変わらずにいるなどと考えるのは無意味であろう。むしろそれらは円を描くように、つまりぐるぐるめぐっているように思われる。ちょうど春が夏に、夏が盛りを過ぎて秋になり、冬が訪れたあと、ふたたび春がめぐってくるように、時は永遠に丸を描いてまわり続けるのだ。」
「運命は救済手段として、逆境の中でも常にどこかしら扉を開けておいてくれるものなのだ。 」
「時が消さぬ記憶などないし、死が癒さぬ痛みもまたありはしないのだ。」
「本当の愛があれば、むやみに感情をさらけ出さないものである。」
「名誉と美徳は魂の飾りであって、それらを備えていない身体なんて、たとえ美しく見えても意味をなさないのです。」
「分別は上品な言葉づかいのための文法です。ただし、普段から美しい言葉を使うよう心がけていればの話ですがね。」
「身になる叱咤というものは、とげとげしい言葉よりも柔和な言葉でこそ人の心に沁みるのです。」
「お前の妻を悪く言うものではない。なにしろ、お前の子どもたちの母親でもあるのだからな。」
「睡眠はほどほどにせねばならん。日の出とともに起きる者は、一日を有意義に過ごすことができるのだからな。」
「ペンはしばしば舌よりも自由に心の機微を相手に伝えやすいものです。往々にして人は愛する人を目の前にすると、伝えようと心に決めていたことや、普段なら平気で言えることが言えなくなってしまいますからね。」

【著者紹介】

佐竹謙一 (サタケケンイチ)

アメリカ・イリノイ大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。南山大学名誉教授。
主な著訳書に、『スペイン黄金世紀の大衆演劇』(三省堂、2001年)、『浮気な国王フェリペ四世の宮廷生活』(岩波書店、2003年)、『概説スペイン文学史』(研究社、2009年)、『スペイン文学案内』(岩波文庫、2013年)、『バロック演劇名作集』(国書刊行会、1994年、共訳)、『スペイン黄金世紀演劇集』(名古屋大学出版会、2003年、共訳)、『ラテンアメリカ現代演劇集』(水声社、2005年)、『カルデロン演劇集』(名古屋大学出版会、2008年)、マンリーケ『父の死に寄せる詩』(『死の舞踏』収録)(岩波文庫、2011年)、エスプロンセーダ『サラマンカの学生 ほか六篇』(岩波文庫、2012年)、ティルソ『セビーリャの色事師 ほか一篇』(岩波文庫、2014年)、『ドン・キホーテ 人生の名言集』(国書刊行会、2016年、共編訳)、モラティン『娘たちの空返事 ほか一篇』(岩波文庫、2018年)などがある。

誉田百合絵 (ホンダユリエ)

南山大学大学院国際地域文化研究科修了(M.A.)。現在、名古屋外国語大学非常勤講師。
主な論文に、「日本における『ドン・キホーテ』の紹介と受容の様相」(『国際地域文化研究』〈南山大学大学院〉11号、2016年)などがある。