未来の文学

ドリフトグラス

ドリフトグラス

サミュエル・R・ディレイニー 著
浅倉久志/伊藤典夫/小野田和子/酒井昭伸/深町眞理子 訳

発売日 2014/12/25

判型 四六変型判   ISBN 978-4-336-05324-4

ページ数 584 頁   Cコード 0397

定価 3,960円 (本体価格3,600円)

シリーズ: 未来の文学 (ミライノブンガク)
失われたSFを求めて――60~70年代の幻の傑作SF、その中でも本邦初紹介の作品を中心に厳選したSFファン待望の夢のコレクション。「新たな読者の視線を浴びるとき、幻の傑作たちはもはや幻ではなくなり、真の〈未来の文学〉として生まれ変わるだろう」(若島正)

【内容紹介】

アメリカの神話的SF作家サミュエル・R・ディレイニーの
全中短篇を網羅する決定版コレクションがついに登場!
名作「時は準宝石の螺旋のように」「スター・ピット」の他、
代表作にして最高傑作「エンパイア・スター」を新訳で収録。
華麗なる文体で彫刻された詩と思索と愛と暴力の結晶体、
全17篇(新訳5篇・本邦初訳2篇)。

コメット・ジョーはメッセージを届けるためオカリナと仔悪魔猫と共にエンパイア・スターへと旅立つ……痛快なスペース・オペラにして実験的ビルドゥングスロマン、物語の面白さを凝縮した超絶技巧が炸裂するディレイニーの最高傑作「エンパイア・スター」が鮮烈な新訳版でついに登場! さらに、海に八つ裂きにされた男たちを哀切に描く表題作の他、ヒューゴー賞ネビュラ賞に輝くサイバー・ハードボイルド「時は準宝石の螺旋のように」、よきライバルであるロジャー・ゼラズニイのスタイルを真似た異色作「われら異形の軍団は、地を這う線にまたがって進む」、洗練を極めたテクニカラー・ファンタジー「プリズマティカ」等、華麗なる文体と変幻自在のイメージ、哲学的思索と愛と暴力とエモーションに満ちた天才ディレイニーの決定版短篇コレクション、全17篇収録。

【著者紹介】

サミュエル・R・ディレイニー (サミュエルアールディレイニー)

1942年ニューヨーク生まれ。ニューヨーク市立大学を中退後、漁船乗りやフォークシンガーとして世界を放浪、62年『アプターの宝石』でデビュー。該博な知識と詩的文体、多層的語りを駆使してメタファーに満ちた神話的作品を多数発表、アメリカン・ニューウェーブの旗手として活躍。長編に『バベル-17』(66年、ネヴュラ賞受賞)『ノヴァ』など。75年に超大作『ダールグレン』を刊行、賛否両論を巻き起こしながらSFとしては異例の大ベストセラーとなる。

浅倉久志 (アサクラヒサシ)

1930年生。英米文学翻訳家。大阪外国語大学卒。主訳書にヴォネガット『タイタンの妖女』、ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、ラファティ『九百人のお祖母さん』、ティプトリー・ジュニア『たったひとつの冴えたやりかた』(以上ハヤカワ文庫SF)、著書に『ぼくがカンガルーに出会ったころ』(国書刊行会)。2010年没。

伊藤典夫 (イトウノリオ)

1942年生まれ。英米文学翻訳家。訳書にディレイニー『アインシュタイン交点』、ヴォネガット『猫のゆりかご』、オールディス『地球の長い午後』(以上ハヤカワ文庫SF)など。

小野田和子 (オノダカズコ)

1951年生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒。英米文学翻訳家。訳書にウィアー『火星の人』、クラーク&ポール『最終定理』(以上ハヤカワ文庫SF)、グレゴリイ『迷宮の天使』(創元SF文庫)、カヴァン『鷲の巣』(文遊社)など。

酒井昭伸 (サカイアキノブ)

1956年生まれ。早稲田大学政経学部卒。英米文学翻訳家。訳書にクライトン『ジュラシック・パーク』、シモンズ〈ハイペリオン〉四部作、ブリン〈知性化〉シリーズ、マーティン〈一千世界〉〈氷と炎の歌〉シリーズ(以上早川書房)、シェフィールド『マッカンドルー航宙記』(東京創元社)などがある。

深町眞理子 (フカマチマリコ)

1931年生まれ。英米文学翻訳家。訳書にクラーク『渇きの海』(早川書房)、キング『シャイニング』『ザ・スタンド』(文藝春秋)、ロンドン『野性の呼び声』(光文社)、ドイル〈シャーロック・ホームズ全集〉(東京創元社)、著者に『翻訳者の仕事部屋』(筑摩書房)などがある。