フドキトコダイシリョウノケンキュウ

風土記と古代史料の研究

荊木美行 著

発売日 2012/03/16

判型 A5判   ISBN 978-4-336-05507-1

ページ数 384 頁   Cコード 0021

定価 7,700円 (本体価格7,000円)

【内容紹介】

 著者が近年精力的に取り組んでいる古代史料に関する研究論文16篇を収録した労作である。16篇の論文は、テーマ別にⅠ~Ⅳに整理・分類されている。
 本書の中核をなすⅠ「風土記の研究」では、古風土記についての研究7篇を収める。著者は、風土記研究の第一人者で、その着実な学風には定評がある。ここにはその最新の成果が収められており、いずれも風土記研究者にとっては重要な論考である。
 つづくⅡ「古代史料とその研究」は、『日本書紀』を中心とする古代史料の基礎的研究で、史料を通じて、古代史像の再構築に踏み込んだ労作である。
 つぎのⅢ「外国史料の読解」であるが、なかでも、第1章は、一般にも馴染みの深い魏志倭人伝の詳細な注釈で、九州説の立場から邪馬台国問題に鋭く切り込む雄篇である。また、第2・3章も、いわゆる倭の五王の研究で、手堅い史料の分析にもとづく研究成果は、一般の歴史愛好家をも被益するであろう。
 最後のⅣ「史料の周辺」は、短篇ながら、貴重な未公開史料の紹介などからなる。
 著者は、近年、弊社から平成20年3月に『記紀と古代史料の研究』を、翌年3月には『風土記研究の諸問題』という論文集を刊行している。本書は、これらにつぐもので、両著の刊行前後からこんにちに至るまでに公にした論文をもって構成されており、まさに著者の最新の研究を集大成した感がある。本書は、古代史の分野でも、研究の基盤となる史料の研究だけに、収録論考は、いずれも時間の風化を受けることなく、不変の価値をもつ珠玉の論文である。古代史研究者はもとより、魏志倭人伝や倭の五王など、古代史の謎に関心をいだく広い読者層にお奨めしたい1冊である。

【著者紹介】

荊木美行 (イバラキヨシユキ)

皇學館大学史料編纂所教授。博士(文学)。