世界幻想文学大系 25

コアクマ

小悪魔

A.M.レーミゾフ 著
安井侑子 訳

発売日 1981/02/01

判型 四六判   ISBN 978-4-336-02527-2

ページ数 288 頁   

定価 2,860円 (本体価格2,600円)

シリーズ: 世界幻想文学大系
近代日本文学界の私小説的、自然主義的風土の故に、久しく貶められてきた幻想の文学が、今甦る。“進歩”と“科学”の西欧の地下にひそむ“もうひとつの西欧”が生んだ目眩めくような驚異と幻想の物語、そして恐怖と戦慄の物語、解体してゆく自我、噴出する言語の暴力……。本大系の出現によって“もうひとつの西欧”の、異端にして激越なる言語と想像力はその全貌をあらわすであろう。造本=杉浦康平+鈴木一誌

【内容紹介】

戦争と革命に渦巻く混沌たるロシヤの現実の背後に立ち現れる、幻想の世界。土俗的で荒々しく血なまぐさいレーミゾフ初期幻想小説集。

【著者紹介】

A.M.レーミゾフ (アレクセイミハイロウィチレーミゾフ)

1877年モスクワに生まれ、1957年亡命地パリで没した。学生時代、革命運動に身を投じた彼は、二度の逮捕、流刑を経験するが、やがて文学の道にすすみ、民間伝承や、ゴーゴリ、ドストエフスキー等に影響されながら、「社会主義」リアリズムとは対極の地点で多数の幻想小説やファンタジーを残した。

安井侑子 (ヤスイユウコ)

1938年、東京生まれ。モスクワ大学文学部卒業。主な訳書に、ブルガーコフ『悪魔とマルガリータ』、アレクサンドル・グリーン『波の上を駆ける女』などがある。