世界幻想文学大系 3

ウィーランド

ウィーランド

C.B.ブラウン 著
志村正雄 訳

発売日 1986/08/22

判型 四六判   ISBN 978-4-336-02503-6

ページ数 368 頁   

定価 2,640円 (本体価格2,400円)

シリーズ: 世界幻想文学大系
近代日本文学界の私小説的、自然主義的風土の故に、久しく貶められてきた幻想の文学が、今甦る。“進歩”と“科学”の西欧の地下にひそむ“もうひとつの西欧”が生んだ目眩めくような驚異と幻想の物語、そして恐怖と戦慄の物語、解体してゆく自我、噴出する言語の暴力……。本大系の出現によって“もうひとつの西欧”の、異端にして激越なる言語と想像力はその全貌をあらわすであろう。造本=杉浦康平+鈴木一誌

【内容紹介】

古城から月の荒野へ!新大陸へ渡ったゴシック・ロマンスの変貌と深化の最初の記念碑的作品!アメリカ文学のゴシック性を決定したブラウン最高傑作の本邦初登場!

【著者紹介】

C.B.ブラウン (チャールズブロックデンブラウン)

1771年、フィラデルフィアに生まれ、1810年同地に没した。当時ようやく勃興しつつあったジャーナリズムの世界で活動する一方彼は、英国において一世を風靡していたゴシック作家たちに深く傾倒し、アメリカ的なゴシック小説を次々と発表した。米国初最初の職業作家であり、その恐怖にみちた悲劇的な物語によって「アメリカ小説の父」とまで称されるブラウンは、以後のポー、ホーソンから現代に至るアメリカ文学の動向に決定的ともいえる影響を与えた。

志村正雄 (シムラマサオ)

1929年、東京生まれ。東京外国語大学卒業後、ニューヨーク大学大学院修士課程修了。東京外国語大学教授。主な訳書にバース『旅路の果て』などがある。