未来の文学

ベータツーノバラッド

ベータ2のバラッド

サミュエル・R・ディレイニー 他著
若島正 編
小和田和子/伊藤典夫/浅倉久志/板倉厳一郎 訳

発売日 2006/05/01

判型 四六変型判   ISBN 978-4-336-04739-7

ページ数 368 頁   Cコード 0071

定価 2,640円 (本体価格2,400円)

シリーズ: 未来の文学 (ミライノブンガク)
失われたSFを求めて――60~70年代の幻の傑作SF、その中でも本邦初紹介の作品を中心に厳選したSFファン待望の夢のコレクション。「新たな読者の視線を浴びるとき、幻の傑作たちはもはや幻ではなくなり、真の〈未来の文学〉として生まれ変わるだろう」(若島正)

【内容紹介】

〈ニュー・ウェーヴSF〉の知られざる中篇作を若鳥正選で集成。ディレイニーの幻の表題作、エリスンの代表作「プリティ・マギー・マネーアイズ」他、ロバーツ、ベイリー、カウパーの傑作全6篇収録。

【著者紹介】

サミュエル・R・ディレイニー (サミュエルアールディレイニー)

1942年ニューヨーク生まれ。ニューヨーク市立大学を中退後、漁船乗りやフォークシンガーとして世界を放浪、62年『アプターの宝石』でデビュー。該博な知識と詩的文体、多層的語りを駆使してメタファーに満ちた神話的作品を多数発表、アメリカン・ニューウェーブの旗手として活躍。長編に『バベル-17』(66年、ネヴュラ賞受賞)『ノヴァ』など。75年に超大作『ダールグレン』を刊行、賛否両論を巻き起こしながらSFとしては異例の大ベストセラーとなる。

若島正 (ワカシマタダシ)

1952年生まれ。現在、京都大学大学院文学研究科教授。著書に『乱視読者の英米短篇講義』(研究社)、『乱視読者の帰還』(みすず書房)、訳書にナボコフ『透明な対象』(国書刊行会、共訳)、パワーズ『ガラテイア2.2』(みすず書房)、スタージョン『海を失った男』(晶文社、編訳)など。

小和田和子 (オワダカズコ)

伊藤典夫 (イトウノリオ)

1942年生まれ。英米文学翻訳家。訳書にディレイニー『アインシュタイン交点』、ヴォネガット『猫のゆりかご』、オールディス『地球の長い午後』(以上ハヤカワ文庫SF)など。

浅倉久志 (アサクラヒサシ)

1930年生。英米文学翻訳家。大阪外国語大学卒。主訳書にヴォネガット『タイタンの妖女』、ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、ラファティ『九百人のお祖母さん』、ティプトリー・ジュニア『たったひとつの冴えたやりかた』(以上ハヤカワ文庫SF)、著書に『ぼくがカンガルーに出会ったころ』(国書刊行会)。2010年没。

板倉厳一郎 (イタクラゲンイチロウ)

1971年生まれ。京都大学大学院修了。中央大学教養部助教授。著書に『魔術師の遍歴 ジョン・ファウルズを読む』(松柏社)、訳書に『ウィルキー・コリンズ傑作選 第二巻』(臨川書店、共訳)がある。