叢書江戸文庫 26

キンセイキダンシュウセイ

近世奇談集成  (一)

高田衛 他校訂

発売日 1992/12/18

判型 四六判   ISBN 978-4-336-03012-2

ページ数 424 頁   

定価 5,126円 (本体価格4,660円)

シリーズ: 叢書江戸文庫
江戸文化を江戸文化たらしめ、近世文学を近世文学たらしめているのは、けっして限られた天才たちとその作品群ではなく、逆にマイナーの位置に甘んじつつ、時代や社会と密着するなかで膨大な作品や資料を遺していったマイナー作家、作品群ではないだろうか。すぐれた文学的効果をあげながらも埋もれようとしている作家、作品を現在の視点で精選し、江戸期本来の価値観に基づいて新しく読者に提供する画期的翻刻叢書。

【内容紹介】

戯れに柱の割目にシラミを封じ込めた男、3年後に覗いてみれば…。「お茶受けひとつ申さふか」と語り始める「宿直草(御伽物語)」他、「死霊解脱物語聞書」「老媼茶話」を収録。秋成・鏡花へと連なる奇談怪異譚集。

【著者紹介】

高田衛 (タカダマモル)

1930年生まれ。早稲田大学大学院修士課程、東京都立大学大学院博士課程修了。東京都立大学名誉教授。専攻、日本近世文学。著書に、『女と蛇』(筑摩書房)、『新編 江戸の悪霊祓い師』、『新編 江戸幻想文学誌』、『完本 八犬伝の世界』(以上ちくま学芸文庫)、『お岩と伊右衛門 「四谷怪談」の深層』(洋泉社)、『春雨物語論』(岩波書店)、編・校訂書に、『江戸怪談集』(上・中・下、岩波文庫)などがある。