各界著名人による各界著名人による私が選ぶ国書刊行会の3冊

ミステリ研究家/フリー編集者日下三蔵

《探偵クラブ》(全15巻)

新米編集者として小さな出版社に勤務していた九二年にスタートした《探偵クラブ》シリーズは、すべて新刊で買っている。作家、作品のセレクト、解説者の人選、堅牢で洗練された造本、すべてが好みで、自分の仕事にも非常に刺激を受けた。あまりのショックに担当編集者だった藤原義也さんにコンタクトを取って、神保町でお話をうかがったほどである。

《世界探偵小説全集》(全45巻)

藤原義也さんにコンタクトを取って(……)その時、こんど海外ものも発掘企画もやります、と教えていただいたのが《世界探偵小説全集》だった。三期、四期と続いていくシリーズを読者として大いに楽しんでいたから、まさか《日影丈吉全集》で自分が国書刊行会の仕事をすることになるとは、夢にも思っていなかった。

《日影丈吉全集》(全8巻別巻1)

日影丈吉 著 種村季弘 監修 日下三蔵/横山茂雄 編集           

まさか《日影丈吉全集》で自分が国書刊行会の仕事をすることになるとは、夢にも思っていなかった。掘っても掘っても作品が出てきて、大部の全集なのに未収録作がいくつか残ってしまったのは残念だったが、この時の経験は、後に《大坪砂男全集》を作る時に役立った。声をかけてくれた礒崎編集長には感謝している。