各界著名人による各界著名人による私が選ぶ国書刊行会の3冊

ライター/編集者南陀楼綾繁

《世界幻想文学大系》(全45巻)

紀田順一郎/荒俣宏 責任編集

《世界幻想文学大系》は佐藤社長の即決により、一九七五年に刊行開始。十一年間かけて完結した。このシリーズで初めて知った作家ばかりで、未知の世界の案内人になってくれた。杉浦康平+鈴木一誌の造本は素晴らしく、月報の豪華さにも魅せられた。

『文学鶴亀』

武藤康史 著                 

『文学鶴亀』は、碩学の評論家の随筆を集めたもの。里見弴、野口冨士男、小島政二郎、吉田健一といった作家の読みどころを、短くキレのいい文章で教えてくれる。「しばらくするとまた前と同じ話題になるといふ本」の楽しさが詰まっている。

『高志路』(戦前版全10冊+戦後版全8冊)

新潟県民俗学会 編                 

国書刊行会が版元だと意識せずにお世話になってきたのが、地方史や民俗学の復刻版だ。一九三五年(昭和十)に新潟で創刊された『高志路』の復刻版は、新潟の民俗や歴史を調べるうえでまず当たるべき資料だ。なお、同誌は新潟県民俗学会の機関誌として現在も発行されている。