yumeno_soujyuuhou page 15/22

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別のことを意味すると考えよ。こんな例がある。香油売りの男が鼻をなくす夢を見た。その後、彼は在庫を失い、商売が成り立たなくなった。鼻がなければ匂いをかぐことができないからだ。それからかなりたって、香油売....

別のことを意味すると考えよ。こんな例がある。香油売りの男が鼻をなくす夢を見た。その後、彼は在庫を失い、商売が成り立たなくなった。鼻がなければ匂いをかぐことができないからだ。それからかなりたって、香油売りをやめた男は、同じように鼻を失う夢を見た。彼は詐欺の罪で、国外追放の刑を言いわたされた。というのは、顔の中でもっとも目に付く鼻を失うということは、醜く不名誉なことであるからである。この人物は、病気を患い、またもや鼻を失う夢を見て、まもなく死亡した。死者の頭蓋骨には鼻がないからである。このように同じ夢が、一人の男でも三度とも異なった意味を表していたのである。》そうこうする間に、紀元前五世紀に、ヒポクラ☆テスという大天才が、病的な夢の研究に足を踏み入れようとする者のために素晴らしい里程標を打ち立てた。時代性を考慮すると、彼は夢を神々から贈られる物としながらも、一方では、自然的な夢の原因は科学だけが解き明かせ、役に立てうるとし、超自然的な夢に関しては、その判断を聖職者にまかせたのである。ヒポクラテスは、ヘルメス学派に所属していたが、人間は、魂、精神、肉体の三つの元素からなると考えていた。《睡眠中に現れるしるしについて正しく認識した者は、そのしるしがあらゆる物事に対して大きな威力をもっていることに気づくであろう》と、ヒポクラテスは書いている。《魂は、体がめざめているときには体に従属し、多くの部分に分かれ、自立しているのではな第二部第一章