パール・バックトニホン

パール・バックと日本

日本人が知らないパール・バックとその世界  

佐川陽子 著

発売日 2023/05/23

判型 A5判   ISBN 978-4-336-07387-7

ページ数 304 頁   Cコード 0023

定価 3,300円 (本体価格3,000円)

【内容紹介】

ノーベル文学賞を初のアメリカ人女性として、世界では四人目の女性として受賞し、世界で最も多く翻訳された作品を世に送り出した作家、パール・バック。
彼女は社会運動家としても多岐にわたる活動を展開し、国の内外を問わず多くの人々を救った。その対象は日中戦争で負傷した中国人、人種差別や性差別で苦しむ黒人や女性、真珠湾攻撃後に収容所に隔離された在米日本人と日系アメリカ人など、また戦後は原爆後遺症を負った被爆者や原爆で親を失った原爆孤児、アメリカで出生したアジア系混血児や障がい児、米軍が駐留したアジア諸国で出生した混血児と母親、障がい児の父母などで、他の社会活動を通しても幅広い人脈を築いた。

彼女の活動では多くの日本人も救われたが、その史実を知る人は少ない。
本書では、幼少期から暮らした中国と後半生を過ごしたアメリカでの生活と、戦前からの日本人との交流を通して生まれた知日家パール・バックの姿を、近代の世界史を背景にひもとく。多くの資料と証言者の発言に基づき、日本人が看過してきたアジアの歴史と、日本人とパール・バックとの友情が解き明かされる。

【著者紹介】

佐川陽子 (サガワヨウコ)

1957年神奈川県生まれ。田園調布学園旧女子短大英語英文科卒、立教セカンドステージ大学専攻科、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科博士前期課程修了。社会デザイン学修士。大手総合商社にて海外勤務を経験、帰国後にテレビ朝日「ニュースステーション」に出演し、海外向けラジオ番組でアグネス・チャンさんと対談。
本書執筆の際には、パール・バックと接触した日本人として、被爆者の近藤紘子さん、歌手で女優のジュディ・オングさん、料理愛好家の平野レミさんにインタビューを行い「証言集」に収めた。
「社会デザイン学会」、一般社団法人「キリマンジャロの会」会員。
研究論文に「社会運動家パール・バックとGHQ占領下から日中国交回復期の日本人──バックが起こした社会運動を事例に」、「ジェンダーに基づく暴力──中国における纏足を事例に」などがある。