【内容紹介】

「ヴィヨンは一人の偉大なる詩人であったのだ。力や、権力や、勇気だけが、なにがしかの価値を持った世紀にあって、彼は小さく、弱く、卑怯で、嘘つきであった。ヴィヨンは背徳・退廃において巧みであったが、まさにこの背徳・退廃から、彼のもっとも美しい詩の数々が生まれたのである」──マルセル・シュオッブ

中世ヨーロッパ最高の詩人、フランソワ・ヴィヨンの全詩集。
『形見分け』『遺言書』『雑詩篇』──全編が待望の新訳なる。
みずみずしい訳詩と詳細な註解解説とを合わせた画期的な一巻本。

【著者紹介】

宮下志朗 （ミヤシタシロウ）

1947年生まれ。東京大学・放送大学名誉教授。著書に、「本の都市リヨン」（大仏次郎賞受賞）、「ラブレー周遊記」、「神をも騙す」ほか。訳書に、「ガルガンチュアとパンタグリュエル」（読売文学賞受賞）ほか。

フランソワ・ヴィヨン （フランソワ・ヴィヨン）

François Villon
15世紀フランスの詩人、泥棒、殺人者。