カメダセンガンセッキョウシュウ

CD  亀田千巖説教集

亀田千巖 述
直林不退 構成
府越義博 解説・音声起こし

発売日 2015/12

判型    ISBN 978-4-336-05963-5

Cコード 3815

定価 16,500円 (本体価格15,000円)

【内容紹介】

 小沢昭一氏が手本とした、伝説の亀田節が今よみがえる! 「六字もろうて弥陀を頼む」真宗安心の急所を説く、師、最晩年の完成された説教。亀田節が弥陀の呼び声と聞こえたとき、同行は安心へと導かれ、思わず知らず受け念仏が溢れだす……。説教の味わいを深めるため、音声起こしを付す。

【第一巻】(収録時間・約46分)
 〈第一席 三心の仏種をいただく〉
 三悪道に堕ちているものは、そのままでは成仏ができない。そこで人間界に送り出して至心・信楽・欲生という三心の仏種を与えて……。
 〈第二席 与えたい与えたいの親心〉
 説教先まで探し訪ねて来てくれた息子に、いても立ってもいられずに、浄土からわざわざ救いに来てくださる弥陀の親心を見る。

【第二巻】(収録時間・約46分)
 〈第一席 月と水の喩え――仏心凡心一体の不一不二の義〉
 月は泥水に宿るも、その光は濁らない。われわれ泥凡夫の胸に六字の月が宿っても、決して六字の月の光は失われない。煩悩に汚れたこの胸に、仏心の月をいただけば……。
 〈第二席 どうしたらはどうしたら取れる――成仏の方角〉
 自力を捨てるには、どうしたら良いか、しかしその「どうしたら」と考えることがすでに自力。じゃあどうしたら……。

【第三巻】(収録時間・約49分)
 〈第一席 人の道は家庭から――まず人間になる〉
 家庭が人間の家庭になっているか。冷戦熱戦でしのぎを削る畜生や餓鬼の家庭じゃないか。親芋は子を肥らすのにわが身を削る。親であるわれわれはどうであろうか……
 〈第二席 娑婆の愛と仏の愛――一念喜愛の心〉
 息子阿闍世に幽閉され、「地獄へ堕ちるより外ない身」と自覚した韋提希の前に、出現された弥陀は……。

【第四巻】(収録時間・約42分)
 〈第一席 堕ちるところがない――大経六故〉
 比叡の山で二十年迷い抜いた範宴は、法然上人の許を訪ね「自分は地獄へ堕ちる」と歎くが、法然上人は……。
 〈第二席 帰還兵とその母――頼む機までも〉
 目も見えず耳も聞こえなくなった帰還兵を母親が抱くが、本人は母に抱かれていることにすら気付かない。そこで母は……。

【第五巻】(収録時間・約35分)
 〈第一席 声なき声を聞け〉
 立ちづめの弥陀のお姿は、座っておれぬの親心。「我を頼めよ」の上げた右手は「南無」の二字回向。「必ず救うぞ」の下げた左手は「阿弥陀仏」四字回向。
 〈第二席 六字貰うて親を頼め――名体不二の名をいただく〉
 大晦日に金のやりくりがつかず、首を吊ろうとしている息子に、駆けつけた父親が……。


【著者紹介】

亀田千巖 (カメダセンガン)

1886年、愛知県生まれ。
長じて石川県能美市・正林寺に養子として入寺。お同行の熱意に応えて京都に居を移し、唯明寺を継ぐ。月初め2日間の自坊定例法座と報恩講以外は布教の旅に出、全国にその名をとどろかせる。唯明寺には常に数人の門弟が住み込み、多くの人材が巣立っていった。
1964年5月13日、病のため、布教先の岐阜にて逝去。79歳。
1970年、師の音源を元に台本を作成した、小沢昭一『節談説教 板敷山/榎物語』が刊行される。

直林不退 (ナオバヤシフタイ)

1958年、群馬県桐生市に生まれ。
龍谷大学大学院博士課程単位取得、花園大学より博士(文学)を受く。龍谷大学・佛教大学の講師、浄土真宗本願寺派本願寺仏教音楽・儀礼研究所委託研究員、相愛大学人文学部仏教文化学科教授を経て、現在、滋賀県大津市淨宗寺住職、相愛大学客員教授、花園大学講師、節談説教研究会副会長。
専門は仏教史、真宗伝道史。
著書、『日本古代仏教制度史研究』、『大津浄土真宗寺院史』、『節談椿原流の説教者・野世渓真了和上芳躅』(いずれも永田文昌堂刊)、『名人木村徹量の継承者 神田唯憲の節談』(節談説教研究会)。

府越義博 (フゴシギハク)

1951年、岐阜県高山市に生まれ。
大谷大学真宗学科卒業。現在、東京都八王子市本淨寺開教院住職、節談説教研究会事務局長。
古書店で講談本「親鸞聖人御一代記」を入手したことから、面白くわかりやすい布教を模索し始め、情念の布教の復活をライフワークとしていた故武藤師の遺志を継いで、2007年7月、節談説教布教大会をプロデュース。築地本願寺に2,500名の聴衆を集めた。以後、節談研究会の事務局長として若き説教者教育と機関誌「節談説教」の編集に携わっている。
著書に、『現代文 説教の秘訣 増補版』『現代文 大笑小笑』(編訳、国書刊行会)などがある。