宗教学名著選 4

イノリ

祈り

フリードリヒ・ハイラー 著
深澤英隆 監修
丸山空大/宮嶋俊一 訳

発売日 2018/03

判型 A5判   ISBN 978-4-336-05691-7

ページ数 592 頁   Cコード 0314

定価 7,150円 (本体価格6,500円)

シリーズ: 宗教学名著選 (シュウキョウガクメイチョセン)
近代宗教学が誕生した19世紀後半以降、我々は「宗教」という言葉で何を掴もうとしたのか。 一方で「宗教」という言葉が覆い隠してしまったものとは何か。 19世紀後半から20世紀半ばにかけて「近代的宗教概念」を成立させた最重要文献の中で、その重要性を認められながらもこれまで翻訳がなかったもの、抄訳、重訳であったものをすべて新たに訳し下ろし、収録する。 「宗教」という言葉そのものの再考をせまる一大叢書。 編集委員/島薗進・鶴岡賀雄・山中弘・松村一男・深澤英隆・奥山倫明・江川純一 企画協力/南山宗教文化研究所

【内容紹介】

古今東西の資料を博捜して祈りを「類型化」したドイツ宗教学確立期の代表的作品であり、預言者的・神秘主義的という宗教の2類型を提示したことでも知られる。いち早く現象学的発想を取り入れた本書は世界各国語に翻訳され、祈りに関する研究で本書に言及しないものはないと言っていい。1918年の初版刊行から100年を迎えてなされた本邦訳により、ここにその全体像が明らかとなる。

【著者紹介】

フリードリヒ・ハイラー (フリードリヒ・ハイラー)

ヨハン・フリードリヒ・ハイラー(Johann Friedrich Heiler)
1892年ドイツ、ミュンヘンに生まれる。
ミュンヘン大学に学び、マールブルク大学神学部(一時期、哲学部)教授。
同大学退官後、ミュンヘン大学員外教授。
1967年ミュンヘンにて没。
ワイマール共和制期を代表する宗教学者。
1918年に26歳にして出版した前期の主著『祈り』は、出版5年後の1923年には増補第5版が出されるほど広く読まれた。
他に主著の『宗教の現象形態と本質』(1961年)ほか、数多くの著作がある。
1958年には東京で開催された第9回国際宗教史学会世界大会に出席するために来日した。

深澤英隆 (フカサワヒデタカ)

1956年、東京都生まれ。
1988年、東大大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。
一橋大学大学院教授。
主な著書に『啓蒙と霊性』(岩波書店)、『近代日本における知識人と宗教』(共編、東京堂出版)、『スピリチュアリティの宗教史』(共編、リトン)など。

丸山空大 (マルヤマタカオ)

1982年、東京都生まれ。
2012年、東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)。
東京外国語大学世界言語社会教育センター特任講師。
訳書に『ウィトゲンシュタイン『秘密の日記』』(春秋社)。

宮嶋俊一 (ミヤジマシュンイチ)

1966年、生まれ。
2001年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。
北海道大学大学院文学研究科准教授。
主な著書に『祈りの現象学』(ナカニシヤ出版)、『宗教史とは何か』下(共著、リトン)、『〈宗教〉再考』(共著、法藏館)など。