十八世紀叢書 6

セイ

抑圧された領域  

サミュエル=オーギュスト・ティソ/J・D・T・ド・ビヤンヴィル 著
阿尾安泰 他訳

発売日 2011/06/22

判型 A5判   ISBN 978-4-336-03916-3

ページ数 328 頁   Cコード 0398

定価 9,350円 (本体価格8,500円)

シリーズ: 十八世紀叢書
「一切の事柄が論議され、分析され、揺り動かされた」啓蒙の時代――十八世紀フランス。本叢書では、十八世紀フランスに関する伝統的な諸研究、すなわち揺り動かされた堅い地殻の表層の実態を提示するのではなく、知の世界の激震によって明るみに出されたこれまで隠されていた次元―地殻に埋もれていた未知の断層の諸層を巡る証言を提供する。斬新な切り口で十八世紀フランスのフロンティアを切り拓かんとする一大叢書である。

【内容紹介】

自慰行為という悪習によってひきおこされる地獄絵図を、医学的な言説に文学的なイメージをちりばめながら構築した恐怖のヴィジョン『オナニスム』、女性の色情の昂進が行き着く先のおぞましき惨状を、物語的な描写を大胆に導入して鮮烈に描き出した『ニンフォマニア』を収録。『百科全書』からの項目「自慰行為」を付す。

【著者紹介】

サミュエル=オーギュスト・ティソ (サミュエルオーギュストティソ)

一七二八年スイスのヴォー州生まれ。南仏のモンペリエ大学で医学を修め、一七四九年医学博士号を取得する。その後スイスのローザンヌで開業し、わずかの期間を除けば、その地にずっととどまり、一七九七年に六十九歳で没。『健康に関する人々への助言』、『オナニスム』の二冊の書物は各国で翻訳され、ティソの名を国際的に高めた、当時の大ベストセラーである。

J・D・T・ド・ビヤンヴィル (ジェイディーティードビヤンウ"ィル)

ビヤンヴィルという姓以外は名前も正確には知られておらず、生没年についても1726?―1813?という説や生年不詳―1785などの説がある。オランダで医師としての名声を高めたといわれるが、推測の域を出ない。

阿尾安泰 (アオヤスヨシ)

1954年生まれ。東京大学大学院単位取得満期退学。博士。現在、九州大学教授。専攻、18世紀フランス文学、フランス現代思想。共訳書にルイ・アルチュセール『愛と文体―フランカへの手紙1961―73』(藤原書店)がある。