ゴシック叢書

アクノユウワク

悪の誘惑

ジェイムズ・ホッグ 著
高橋和久 訳

発売日 1980/01/01

判型    ISBN 978-4-336-02748-1

定価 2,860円 (本体価格2,600円)

シリーズ: ゴシック叢書
《理性の世紀》18世紀の後半、確実なるものの瓦解を背景に、恐怖とサスペンス、夢とロマンスは、文壇主流からは貶められながらも、今日に至るまで全西欧の文学的感性の在り方を大きく規定してきた。以後の幻想文学の一大源泉となったこのゴシック・ロマンスの古典群から、現代アメリカにおいて幻想的なるものの探求をすすめる《ニュー・フィクション》派までを網羅し、英米文学史を決定的に書き換え、文学を《活性化》する異色のシリーズ。

【内容紹介】

カフカやブランショの先駆をなすとも評価される最も優れたゴシック小説のひとつ。宗教的狂言、兄弟の憎悪劇、分身などを主題として人間の悪魔性を真正面から描き出した幻の傑作。見事な幻想譚をも収録したこの忘れられたスコットランドの畸人作家の初紹介。

【著者紹介】

ジェイムズ・ホッグ (ジェイムズ・ホッグ)

1770年~1835年。スコットランドの詩人、小説家。羊飼いを生業としたところから、詩人として成功した後年「エトリックの羊飼い」と呼ばれた。

高橋和久 (タカハシカズヒサ)

1950年東京都生まれ。京都大学文学部卒業。東京大学文学部教授。主な著訳書、『エトリックの羊飼い、或いは、羊飼いのレトリック』(研究社)、ロバート・ポルトック『ピーター・ウィルキンズの生涯と冒険』(岩波書店)、アラスター・グレイ『哀れなるものたち』(早川書房)など。